設立趣旨

「グリーン連合」設立の趣旨

「かけがえのない地球」をキャッチフレーズに環境問題についての初めての世界的会合「国連人間環境会議」が開催されてから43年、人類社会の持続的な発展に道筋をつけることを意図した「地球サミット」から23年が経過します。
その間、世界においても、我が国においても、顕在化する環境問題の解決に向けて様々な対策がとられてきました。こうした国際的な動きや健全な市民社会の形成を支援するNPO法の制定もあり、私たち市民の間でも、地域での環境保全活動、国や地球レベルでの環境政策に対する提言活動など様々な活動を展開する環境NPO/NGOが数多く誕生し、行政や企業とは異なる立場と専門性を活かした多様な活動により、問題解決のために努力しているところです。

しかし、地球温暖化に伴う気候変動の激化は世界中に大きな被害をもたらし、第6の絶滅の時代とされるほどの生物多様性の喪失が続き、様々な化学物質による汚染が広がるなど、私たち人間の生命や社会・経済活動の基盤である環境の悪化はとどまるところを知りません。さらに、福島第一原子力発電所の過酷事故は、エネルギー転換の必要性だけでなく、私たちの文明の「豊かさ」に対する根源的な疑問を、日本のみならず全世界へ投げかけました。このままでは人類社会の存続さえも危ぶまれる危機的状況にあります。

周知のとおり、これらの問題は、地球の有限性を認識することなく経済の規模の拡大を追い求めてきたこれまでの価値観や暮らし方、技術、社会経済システムに起因します。そのため、問題の解決に向けては、科学的根拠に基づく倫理的で政治的な判断と人間の叡智に基づく、大きな社会変革を伴う根源的な取組が不可欠です。

しかし残念ながら、国内においては、根源的な政策転換は遅々として進まず、持続可能性をないがしろにした目先の経済重視の政策が優先され続けています。

私たち人類に残された時間は僅かしかありません。

この状況を憂い、様々な環境問題を克服し、全ての生命と人間活動の基盤である「環境」を基軸とした民主的で公正な持続可能な社会を構築するために、私たち環境NGO/NPOは、各組織の個別の使命や目的を超えて、現世代そして次世代の利益の為に、互いにつながり結集して、強く社会に働きかけていくことが極めて重要であるとの認識に至りました。
私たちは、日本各地で、様々な環境活動に携わる多くの仲間とつながり、これまで積み重ねてきて経験と英知を結集し、危機的状況にある地球環境を保全し持続可能で豊かな社会構築に向けた大きなうねりを日本社会に巻き起こすために、「グリーン連合」を設立いたします。

2015年6月5日