市民版環境白書2020グリーン・ウォッチ
グリーン連合は、気候変動、生物多様性喪失、化学物質問題など様々な環境問題を克服し、すべての生命、そして暮らしや社会・経済活動の基盤である「環境」を守りながら、民主的で公正な持続可能な市民社会を築くことを目指して、日本各地で活動する環境 NPO/NGO が結集し、社会の変革を強く政治や社会に働きかけるために、2015年6月に設立された市民組織で、現在 82の市民団体が加盟しています。
グリーン連合の活動もこの6月で6年目に入り、その活動の一環として、設立年から毎年発行してきた市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」も今年の 2020 年版で5冊目となります。この白書は、政府とは異なる視点から環境の現状や問題点を分析し、より良い解決の方向性を多くの人に知ってもらうことを目的として発行してきましたが、この間にも、設立趣意書に記した環境の悪化は止まるどころか深刻さを増しています。
特に気候変動に伴う異常気象により、各地で甚大な被害が頻発し、多くの市民の生命・財産が奪われています(第1章第 1 節参照)。また生態系の崩壊や化学物質問題も深刻化しています(第2章、第3章参照)。しかし、こうした問題への日本政府の対応は遅々として進まない上に、隠ぺいや情報操作など政府情報への信頼性は落ち、さらに格差の拡大などの社会的課題も山積するなど、私たちが望む安心・安全ですべての人が幸せを感じられる持続可能な社会とは程遠い状況にあります。一方私たち市民も、各地で起きる災害や夏の暑さに危機感を高め、プラスチック問題にも関心は持つものの、その原因が私たちにもあることは忘れがちで、無意識のうちに、環境への負荷を増大させる生活を送っています。
<市民版環境白書2020グリーン・ウォッチ>
発行日:2020年6月5日 第1刷
ページ数:88ページ
発行:グリーン連合
編著者:グリーン連合「グリーン・ウォッチ」編集委員会
表紙絵:高月紘
※この白書は、地球環境基金の助成を受けて作成しました。
グリーン・ウォッチ 目次
はじめに [PDF]
漫画「グリーン・ウォッチ」2020
第1章 脱炭素社会に向けた最近の動向 [PDF]
第1節 「気候変動」から「気候危機」問題へ
第2節 持続可能な再生可能エネルギー100%社会の実現
第2章 生物多様性、そして森林の危機 [PDF]
第1節 IPBESの活動、成果とその日本への示唆
第2節 世界の森林と私たち
コラム「2019年のアマゾン森林火災騒動」
第3章 化学物質 [PDF]
第1節 環境ホルモンの脅威に改めてどう対処すべきか
第2節 環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査」の進捗状況と今後の課題
第4章 東京電力福島第一原発事故後の状況 [PDF]
第1節 蓄積する課題にどう向き合うか(廃炉、放射性廃棄物の量と行方)
第2節 福島の住民のその後
参考 欧州における環境NGOの位置づけと公的資金 [PDF]
活動報告:グリーン連合のこの一年間の活動実績
会員名簿 [PDF]
「グリーン・ウォッチ」編集委員会
編集責任者 藤村コノヱ(環境文明21)
編集委員
中下裕子(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)、
加藤三郎(環境文明21)
桃井貴子(気候ネットワーク)
松原弘直(環境エネルギー政策研究所)
坂本有希(地球・人間環境フォーラム)
伴英幸(原子力資料情報室)
篠原ゆり子(FoE Japan)
古瀬 繫範(地球と未来の環境基金)
藤井絢子(菜の花ネットワーク)
本田恭子(アースデイとやま実行委員会)