山本公一環境大臣を訪問し、意見書を提出しました(2016/8/18)

2016年8月18日、今月就任したばかりの山本公一環境大臣を、グリーン連合幹事会のメンバーで表敬訪問しました。2016年5月に発行した市民版環境白書「グリーンウォッチ」を渡すとともに、環境政策の審議にあたっては、その分野で活動する環境NGOや市民団体の参加の枠 を設けて進めて欲しいとの意見書「環境政策の形成と実施には、公平・公正で実質的な市民参加を!!」も提出しました。

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環境大臣 山本公一 殿
中央環境審議会 会長 浅野直人 殿

【意見書】

環境政策の形成と実施には、公平・公正で実質的な市民参加を!!

グリーン連合は、気候変動、生物多様性、化学物質、廃棄物など様々な環境問題を克服し、全ての生命と人間活動の基盤である「環境」を基軸とした民主的で公正な持続可能な社会を構築するために、互いにつながり、強く社会に働きかけていくことを目的として、昨年6月5日環境の日に設立した環境NPO/NGOの全国的な連合組織です。

私たちは、民主的で公正な持続可能な社会を構築するには、「環境」に関わる政策の形成と実施に当たっては、私たちNPO/NGOも含めた、すべてのセクターの参加が不可欠であると考えています。

しかし、現状では、環境省が管轄する中央環境審議会とその下にある部会、委員会等の委員構成は偏っており、それが実効性ある環境政策の形成と実施を妨げ、結果的に環境政策の停滞や後退を招いているように思われます。

例えば、去る7月29日に開催された中央環境審議会地球環境部会の下に設置された長期低炭素ビジョン小委員会には、21世紀後半には人為的な温室効果ガスの排出を実質的にゼロにするという「パリ協定」を達成するために、従来の政策を抜本的に見直し、暮らしや産業構造の転換をも踏まえた大胆な戦略の検討が求められています。

しかし、その小委員会には、5名もの産業界を代表する委員が含まれ、特に日本経済団体連合会、日本鉄鋼連盟、電気事業連合会など、気候変動対策には不可欠な大型環境税や排出量取引制度の導入にこれまで強く反対し、日本の気候変動政策を後退させてきた大規模排出事業者を代表する委員が含まれています。その一方で、中長期的視点から、気候変動問題に長年かかわってきた環境NPO/NGOの委員は皆無です。

こうした偏った構成は、国民各層からの意見を広く聞くという審議会の趣旨に反するとともに、本来あるべき公平・公正な判断は期待できず、効果的な脱炭素社会に向けた長期ビジョン・戦略が策定されるとは考えにくいものになっています。

今後、中央環境審議会、各部会、専門委員会、小委員会などの委員の人選にあたっては、公平・公正の観点、政策の実効性の観点、さらに市民社会育成の観点から、環境NPO/NGO枠を定めるなど、各課題に強い関心と専門性を有する市民セクターの参加を強く要望します。そうすることで、真に有効な環境政策の形成と実施が図れると私たちは確信しています。

グリーン連合 共同代表
藤村コノヱ、杦本育生、中下裕子