2月16日(土)、おおさかATC グリーンエコプラザセミナールームにて開催しました。大阪で気候変動問題に取り組む地球環境市民会議(CASA)が事務局を担当し、会場をご提供いただいたおおさかATCグリーンエコプラザの共催で開催しました。参加者数は34名で、会社員の方が半分程度をしめました。
◯基調講演1「気候変動問題と日本における課題」 資料
早川光俊氏(CASA専務理事)
基調講演では、CASA専務理事の早川光俊氏から地球温暖化問題で現在の気温上昇がどのような状況にあるのか、そして、どのような影響が顕在化してきたのか、今後どのような影響やリスクが考えられるのかについてお話いただきました。また、気候変動問題に対して、脱炭素社会に向けて加速する世界の動きが紹介されました。また日本については、世界第五位の巨大排出国としての責任を果たす必要があるということ、そして問題解決の鍵を握っているのは市民・消費者であり、情報に精通し、自立し、行動する市民の存在なくして環境問題の解決はない、とメッセージを発信されました。
◯基調講演2 「気候変動とカーボンプライシング~国内外の最新動向~」資料
清水延彦氏(環境省大臣官房環境経済課)
2つ目の企業講演では、環境省大臣官房環境経済課清水延彦氏から、気候変動問題とカーボンプライシングについて解説していただきました。カーボンプライシングについては、内部的・外部的なカーボンプライシングなど様々な施策があることが紹介されたほか、排出量取引制度や炭素税などの世界的な導入状況についても詳しく紹介していただきました。また、日本では地球温暖化対策税(289円/CO2)が導入されていますが、炭素税導入国の水準比較をしたときに、日本の税率は他国に比べても非常に低いということも明らかにされた。最後に、環境省で有識者による検討会が行われている状況などについて紹介されました。
◯グリーン連合の提案 資料
藤村コノヱ(グリーン連合代表)
交流会の後半では、ワークショップに先立ち、グリーン連合共同代表の藤村コノヱからカーボンプライシングについての提案を行いました。提案については、今後もグリーン連合の提案として進化させるため、幅広く市民の意見を反映させていきたい旨説明があり、ワークショップを行う上での検討材料として提案された形です。2018年11月に川崎で行った学習会「カーボンプライシングと炭素税」での参加者の意見もふまえながら、炭素税の使徒について、広く国民の理解を得るための方策についての2点で提案した。
◯ワークショップ
ワークショップは、グリーン連合共同代表の杦本育生が全体のファシリテーターをつとめ、3つのグループに分かれて討議を行いました。各テーブルでの討議は、カーボンプライシングの導入の是非や、炭素税を導入した場合の使徒などについて積極的に意見が出され、最後にそれぞれのグループの意見を全体でシェアしました。
また、最後のアンケートのコメントでも、カーボンプライシングは「絶対に必要だ」「必要だ」という意見が大多数を占め、必要ないと考える人は一人もいませんでした。以下のようなコメントが集まりました。
<カーボンプライシングは絶対に必要だと思う>
・カーボンプライシングの考え方を取り入れないと企業は変わらない。企業のポートフォリオの組み換え(持続可能な世界)にも発展しないと思われるから。
・温暖化は避けて通れないものであるがその対策には日本は遅れをとっている。炭素税についてはその目的、使徒は周知・合意が必要と思います。
・とにかく、温暖化ストップのためにできることはすべき。排出者の責任を明確にすることが必要である。
・絶対に必要と思うが政治的に厳しい。結局、大きな危機か、外圧が必要か。若者の「内圧」が欲しい。
<カーボンプライシングはどちらかというと必要だと思う>
・環境教育も含めて一人ひとりが環境に意識をして行かないと問題は解決しない。知っていてもできないこともあるのでまずは意識を高めるため、企業も従業員や経営面から必要だと思う。
・カーボンプライシングについては、まだよく理解していないので、なんとも言えませんが、温暖化の悪影響が深刻になっている中で、その抑制のための手段の一つとして必要なのではないかと思いました。
・【炭素税】地球温暖化防止に資する使徒に使われるならば有効だと思う。しかし、貧富の差が拡大するおそれがあり、その対策を講じる必要がある。
【排出量取引】必要だと思う。グローバルに活動する企業がグローバル化して地球温暖化防止のために有益だと思われる。