環境NGO/NPO関西大交流会(3/4)開催のお知らせ

環境NGO/NPO関西大交流会(3/4)開催のお知らせ

環境を大切にした持続可能な社会をつくるため 大きくつながろう!

チラシはこちら

気候変動、森林破壊、海洋汚染、生物多様性の激減など環境問題は地球規模で深刻さを深めています。一方、近年の日本の環境政策は後退を続けています。しかし、こんな時だからこそ環境NGO・NGOが、個々の活動をより強めるととともに、連携を強くし、政治と社会に大きな影響力を発揮することが必要となっています。

関西には多様な環境NPO/NGOが活躍しています。その連携と交流をもっと深め、さらなる活動の可能性をさぐるため大交流会を実施します。ぜひご参加ください。
※本交流会は、「グリーン連合」の近畿地区交流会を、全ての関心のある人・団体にオープンにして開催するものです。

日時:2017年3月4日(土)午後1時~4時30分
会場:ピアザ淡海
(大津市)京阪電車石場駅から徒歩約5分 JR膳所駅から徒歩約12分
主催:グリーン連合

○当日参加各団体から 力を入れている活動のミニプレゼン
○ワークショップ(意見交換) あらたな更なる連携を模索する
○グリーン連合の活動紹介と意見交換

参加費:無料(できるだけ事前にお申し込みください)
申し込み・問合せ先:
菜の花プロジェクトネットワーク webmaster@nanohana.gr.jp TEL:0748-46-4730
環境市民 life@kankyoshimin.org TEL:075-211-3521

 

※本イベントは独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成により開催します。

 

 

 

中国地区交流会を開催します(2/25)

グリーン連合中国地区交流会

~再生可能エネルギー普及の加速を目指すワークショップ&交流会~

中国地方の環境NGO/NPOの皆さん。再生可能エネルギーに関心のある皆さん。是非お集まり下さい。

【日時】 2月25日(土)13:00~16:30(受付:12:30~)
【場所】 きらめきプラザ 7階 702号室
岡山市北区南方2丁目13-1
(アクセス) JR岡山駅東口より徒歩15分 地図はWebサイト参照

主催: グリーン連合(ジャンルを超えた環境 NGO/NPO の全国ネットワーク、現在79 団体)
共催: 認定NPO法人おかやまエネルギーの未来を考える会、縁パワーしまね、市民エネルギーとっとり
※本交流会は平成28年度 独立行政法人環境再生保全機構 地球環境基金の助成を受けて開催されます。

気候変動、森林破壊、海洋汚染、生物多様性の激減など環境問題は地球規模で深刻さ を深めています。他方、近年の日本の環境政策は後退を続けています。しかし、こんな 時だからこそ環境NGO・NPOが、個々の活動をより強めるととともに、個々の組織と個別の課題を超えて連携を強くし、政治と社会に大きな影響力を発揮することが必要となっています。2015年6月、そんな思いで集まった有志で「グリーン連合」が設立されました。現在加盟団体数79団体、中国地方からは1団体が加盟しています。

今回は中国地方でグリーン連合の輪をより広めようという趣旨で、中国地方からグリーン連合に加盟いただいている「認定NPO法人おかやまエネルギーの未来を考える会」との共催にて、最近動向が注目される再生可能エネルギーをどう普及させてゆくかをテーマに、中国地方の環境NGO・NPOが集まり、意見交換会、交流会を開催します。関心のある方はぜひご参加ください。

[プログラム内容]

  • 参加団体の活動紹介
  • グリーン連合の活動紹介と期待される役割についての意見交換
  • 事例紹介: 「ヨーロッパの再生可能エネルギー普及の事例
    手塚智子(市民エネルギーとっとり・代表)
  • 再生可能エネルギーの普及を加速化させるためのワークショップ
    ファシリテーター: 上園由起(縁パワーしまね)

■参加料: 無料 (グリーン連合発行「市民版環境白書(グリーンウォッチ)」1冊プレゼントします)
■参加申込: 申込要(2/24正午締切)・定員35名・先着順
(申込先) 認定NPO法人おかやまエネルギーの未来を考える会
E-mail/enemira[a]okayama.email.ne.jp  電話/090-7775-0919(廣本)
※E-mail送信時は、[a]を@に変えてください。

 

 

 

北海道交流会を札幌市で開催します(1/21)

ジャンルを超えた環境 NGO/NPOの全国ネットワーク『グリーン連合の「北海道交流会」』と「市民のエネルギーチェンジ研究会」のコラボイベントを、全国のネットワークと北海道のネットワークが、相互の活動や思いを学び合い、地域での実践活動の輪を広げることを目的として1月21日(土)に札幌市で開催します。

グリーン連合からは、事務局長の古瀬繁範、FoE Japanの篠原ゆり子、そして、環境エネルギー政策研究所(ISEP)の田島誠さんが登壇し、福島市で昨年11月に開催された第1回世界ご当地エネルギー会議の趣旨や成果、福島の再エネの新しい動きなどのお話をします。札幌のNPOのメンバー3名とのディスカッションや、参加者の自己紹介、意見交換の時間もあります。ぜひご参加ください。

本交流会のチラシ(PDF)

■日時/2017年1月21日(土) 13:00~16:30(受付12:40)
■会場/札幌エルプラザ 環境研修室(北海道 札幌市北区北8条西3丁目)
■参加費/無料
グリーン連合発行「市民版環境白書(グリーンウォッチ)」をプレゼントします。
■定員/50名
■参加申込/先着順 事前申込要(1/20正午〆切)
名前・住所・連絡先(TEL. FAX. E-mail 等)、所属をご記入のうえ、下記へメール等でお申込ください。

認定NPO法人北海道市民環境ネットワーク
南1条西5丁目8番地 愛生舘ビル5階
E-mail/office@kitanet.org
 電話/011-215-0148  FAX/011-215-0149

■主催:グリーン連合
■共催:認定NPO法人北海道市民環境ネットワーク
北海道エネルギーチェンジ100ネットワーク
■協力:  NPO法人北海道グリーンファンド
NPO法人ezorock
NPO 法人森の生活

【プログラム】

  • グリーン連合の活動紹介と意見交換
    古瀬 繁範 (グリーン連合 事務局長)
  • 参加者 自己紹介
  • 国際環境NGO FoE Japanの活動
    篠原 ゆり子 (FoE Japan)
  • 被災者支援から再エネ推進へ、
    福島から動き出す、市民主導の再エネパワー
    「第1回世界ご当地エネルギー会議」事務局長に聞く
    田島  誠 (ISEP 認定NPO法人環境エネルギー政策研究所)
  • パネルディスカッション〜世界ご当地エネルギー会議に参加して
    東田 秀美 (NPO法人旧小熊邸倶楽部理事長)
    小林 ユミ (NPO法人北海道グリーンファンド)
    宮本  尚 (北海道エネルギーチェンジ100ネットワーク)
  • 参加者意見交換

※本交流会は平成28 年度 独立行政法人環境再生保全機構 地球環境基金の助成を受けて開催されます。

富山市で環境市民団体の地域交流会を開催しました(2016/12/4)

富山市において2016年12月4日(日)にアースデイとやま2016実行委員会との共催で地域交流会を開催しました。グリーン連合の活動を地域で広げ、政策提言活動と地域での実践活動をつなげるため、相互の活動や思いを学び合い、地域での実践活動の輪を広げることを目的としています。

詳しくはこちら

環境省とNGOの意見交換会(1/10)参加者募集

環境省とNGOの意見交換会(1/10)参加者募集

グリーン連合は、その発足の目的として環境NGO/NPOの社会的影響力を高め、国の環境政策をより良いものとすることを掲げています。その具体化のひとつとして、環境省とNGOの意見交換会を設定いたしました。この意見交換会の場に参加される方を募集します。参加を希望される方は、下記の通り、グリーン連合事務局へお申し込みください。

■環境省とNGOの意見交換会

  • 日時:2017年1月10日(火)14時~16時
  • 会場:環境省第1会議室(予定)
    アクセス:東京メトロ丸の内線・千代田線・日比谷線「霞ヶ関」駅 下車
    中央合同庁舎5号館
    ※会議の円滑なスタートのため13時45分までに日比谷公園に面した玄関口前にお集まりください。
  • 参加資格:日本で活動されている環境NGO/NPOのメンバーの方で、本意見交換会の趣旨に賛同される方ならどなたでも
    ※   グリーン連合会員の有無、また法人格の有無は問いません。
    ただし、営利団体、企業、自治体の立場では参加できません。
    ※    会議室の定員は最大50人(申し込み先着順)です。必ず事前にお申し込みください。事前申し込みなしの参加はできません。下記の申し込み方法をご覧ください。

■ NGO側の事前打合せ

  • 日時:2017年1月10日(火)12時開始
    (1時間半程度を予定。ご参加の方は昼食をご持参ください。)
  • 会場:弁護士会館10階 1008号室
    アクセス:東京メトロ丸の内線・千代田線・日比谷線「霞ヶ関」駅 下車
    中央合同庁舎5号館の北側の建物 丸ノ内線B1b出口すぐ

※議題の発議提案者及び関連した発言を希望される方は事前打ちあわせには是非ご参加下さい。

■意見交換会議題(予定)

1 気候変動

A 2030年に向けた日本の気候変動政策課題・取り組み
B 自治体とNGOが協働で行う気候変動防止と再エネ推進活動への支援、連携

2 環境NGO・市民社会のエンパワーメントと環境省との協働

A 環境NGO・市民社会のエンパワーメントと環境省との協働の可能性
B 環境省とNGOの意見交換会のあり方

■お申し込み方法

以下の項目をご記入いただき、グリーン連合事務局にお送りください。

お名前、所属しているNGO/NPO名称、そのNGO/NPOでの肩書き
連絡先メールアドレス、連絡先電話番号

送信先: グリーン連合事務局お問い合わせフォーム

〆切12月26日(月) 午後6時

※  一団体から複数人の参加も歓迎します。
※  最大50人(先着順)を募集します。お早めにお申し込みください
※  お申し込みの際に頂いた個人情報は環境省とNGOの意見交換会以外には利用しません。

■その他

・交通費等は各自ご負担ください。なお、グリーン連合会員団体で、遠方から参加される方には、交通費の一部を補助いたします。グリーン連合事務局にお問い合わせください

皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

■主催 環境省 グリーン連合

■グリーン連合 共同代表 杦本育生 中下裕子 藤村コノヱ
担当幹事 篠原ゆり子(FoE Japan)、杦本育生(環境市民)、中井八千代(容器包装の3Rを進める全国ネット)、藤村コノヱ(環境文明21)、古瀬繫範(地球と未来の環境基金)

環境省とNGOの意見交換会(1/10)の開催について

環境省とNGOの意見交換会(1/10)の開催について

(お知らせ及び政策提案・意見交換テーマの募集)

グリーン連合
代表 杦本育生、藤村コノヱ、中下裕子

グリーン連合では、日本の環境政策をより前進させるため、また政府の環境政策・事業の立案、実施、評価の全ての段階において、環境NGO/NPOと国民の意見と提案がより適切に反映されることを目的として、環境NGOと環境省の意見交換の場を設定することにいたしました。今回はその初回ですが、今後定期的な開催を目指して行います。

■開催日時 2017年1月10日(火)午後2時~4時

■場所   環境省会議室(詳しくは追ってお知らせします)

■議題

  1. 気候変動
  2. 環境NGO・市民社会のエンパワーメントと環境省との協働

今回の意見交換は、この2議題で開催します。第2回以降は議題の設定についても環境NGO/NPOの意見を求める予定です。

■政策提案・意見交換の具体的テーマの募集 今回の2議題に関して具体的な政策提案や意見交換したい具体的テーマを2~3ずつ募集します。応募される環境NGO/NPOは、こちらの書式11月28日正午までグリーン連合事務局まで送信してください。なお、多くの提案が集まった場合は、グリーン連合の本活動担当幹事会で採否を決定します。あらかじめご了解をお願いします。また、採用された提案については、協議会当日(1月10日)に発表・説明等をしていただきますので、必ずご出席くださるようにお願いします。

■参加資格 環境NGO/NPOのメンバー

  • グリーン連合の会員資格の有無、法人格の有無は問いません。ただし、営利団体、企業、自治体の立場では参加できません。
  • 後日、政策協議への参加者を募集します(最大50人程度)。

■環境省からの出席 課題及びテーマに沿った幹部職員、担当職員

グリーン連合の担当幹事 篠原ゆり子(FoE Japan)、杦本育生(環境市民)、中井八千代(容器包装の3Rを進める全国ネット)、藤村コノヱ(環境文明21)、古瀬繫範(地球と未来の環境基金)

中央環境審議会が検討を開始した「長期低炭素ビジョン」に対する提案

グリーン連合は、環境省の中央環境審議会が検討を開始した「長期低炭素ビジョン」に対して以下の提案を2016年9月30日に環境省に対して提出しました。

グリーン連合「長期低炭素ビジョン」に対する提案(PDF)

中央環境審議会が検討を開始した「長期低炭素ビジョン」に対する提案

2016年9月30日
「グリーン連合」共同代表
藤村コノエ、杦本育生、中下裕子

1.私たちの基本的認識 

(1) 人類社会が気候変動問題に本格的に取り組み、国連気候変動枠組条約を締結して23年。そして昨年末に190を超す国の代表の合意で採択された「パリ協定」は、準備開始から少なくとも6年という長い時間をかけ、IPCCに集った科学者や専門家の気候変動に関する最新最良の知見を踏まえ、厳しい交渉を経て、画期的な内容で合意された。このパリ協定が発効し確実に実施されれば、悪化の一途を辿ってきた気候変動の克服に希望の兆しが見えてくると、私たちは、この歴史的合意を歓迎している。

(2) 数ある合意点のうち、「長期低炭素ビジョン」を検討するにあたって、特に重要と考える点は、①産業革命前からの世界の平均気温の上昇を、2℃を充分に下回るレベルに抑え、1.5℃未満に収めるよう努力することが合意された点、②世界全体でできるだけ早い時期に温室効果ガス排出量の増加を止め、今世紀後半には排出量と吸収量とを均衡させ「実質ゼロ」を目指すとした点、である。なぜなら、パリ協定に示されたメッセージは、産業革命以降、エネルギー源として化石燃料を大量に消費し物質的に豊かで便利な経済社会を築いてきた過去2世紀余に及ぶ都市化・工業化された文明を大転換し、低エネルギー消費社会を実現するとともに、温室効果ガスをほとんど排出しない持続可能な再生可能エネルギーへとエネルギー源をシフトすること、すなわち、「脱炭素」社会の実現に社会が大きく舵を切ることを意味するからである。

(3) 日本がパリ協定に盛り込まれた画期的な内容を確実に実施し、その実現に着実に貢献するには、過去25年に及ぶ気候変動(地球温暖化)に係る従来の体制や政策を根本から見直す必要がある。なぜなら、これまでも、企業、市民も含め政府や自治体は数々の地球温暖化対策を講じてきたが、これまでの原発への依存や再生可能エネルギー導入の遅れから、結果的に温室効果ガスの排出総量は、年により多少の増減はあるものの、日本として基準年とすべき1990年レベルから低減しておらず、むしろ増加している(2014年度は7%増だが、前年比では原発稼働ゼロでも3%減)。COP21に向けて国連に提出した約束草案では、2030年度に2013年比26%削減(1990年度比で18%削減)というとても不十分な削減目標になっている。さらにこの不十分な削減目標の達成さえ危うくする石炭火力発電所の新規導入が電力自由化の中で進められようとしている。この点で日本は他の先進国と比べて地球温暖化政策の面で恥ずべき状況にあり、気候変動の時代にあって、政治・経済・社会を含む日本社会全体としての変革への取組みの立ち遅れを露呈するものと私たちは考えている。

(4) これまでの日本政府の気候変動に対する地球温暖化政策は、国民や企業の自主的な行動を促進する「対策」や技術の革新等が中心であった。しかし、こうした政策では、パリ協定が求める社会の実現は到底不可能であり、明確な中長期的目標やロードマップを伴った産業構造の転換、グリーン経済への移行といった経済システムの見直し、脱原発を前提とした脱化石エネルギー社会の構築、都市計画を含む社会システムそのものの見直しが不可避である。また、気候変動の時代を乗り越え、希望ある人類社会を築いていく上で何が最も重要かといった価値の転換やあらゆる層での持続可能な社会像の形成、それを促す学校教育や社会教育を立て直すことも不可欠である。さらに、これまではエネルギーや環境問題に積極的に関与してこなかった層も含む社会の全てのステークホルダーの参加が必要であると私たちは考えている。

(5) さらに昨年9月の国連サミットにおいて、貧困、飢餓、健康、教育、生産・消費などの17事項を含む「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、「持続可能な開発目標(SDGs)」が決定された。この国際的な目標は日本にとっても極めて重要な方向性を包含しており、長期的な気候変動に対応する政策を策定する場合にも、これら目標の内容も十分に斟酌する必要があると私たちは考えている。

2.長期低炭素ビジョンの実現において不可欠な要素 

(1) 気候変動への対応の中で温室効果ガスの削減対策については、これまでも環境NPO/NGOを含む国内外の組織や研究者・有識者から様々な提案がなされて、それらが現実に効果を上げている国や地域も増えてきている。しかし、我が国では、主としてエネルギー多消費型の産業界の意向を強く反映したことにより、最も効果的な対策と考えられる環境税や排出量取引など炭素への価格付(カーボンプライシング)や総量排出規制が、東京都などで部分的に実施されているものの、ほとんど実施されていない。

しかし、先進国であり温室効果ガス削減の技術力に大きなポテンシャルを有する日本の責任から見ても、また、我が国の社会・経済全体の中長期的な健全な発展から考えても、カーボンプライシングや総量排出規制など着実に効果のある温室効果ガスの削減策を各部門で実施すべきである。いまこそ経済・社会の発展と温室効果ガスの排出量のデカップリングを実現する包括的な政策が求められる。

(2) 特に、長期目標及び気候変動政策と表裏一体である「エネルギー基本計画」や「2030年の電源構成」の見直しが急務である。

COP21での「パリ協定」合意前に、経産省が2030年度のエネルギー需要やエネルギーミックスを決定し、それに整合する形で、政府は温室効果ガスの削減目標(2030年13年比26%削減)を約束草案として設定したが、「パリ協定」合意後の本年5月に決定された「地球温暖化対策計画」においても、基本的に合意前と同じレベルの対策に留まっている。

気候変動に伴う世界での異常気象の激化のスピード及びその規模と、「パリ協定」に明記された「今世紀後半には実質ゼロを目指す」責務を考えると、「2050年80%削減」は最低でも達成すべき長期目標として掲げ、そこに向かう経路として中期根目標も速やかに見直し、それに沿ったエネルギーに関する中長期的な目標を設定し、実現するロードマップを策定すべきである。

具体的には、温室効果ガスの削減目標としては、2030年度に1990年度比で少なくとも40%~50%削減、2050年に1990年比80%削減とし、その後の「排出ゼロ」への道筋を描くべきである。また石炭火力は既存の発電所を廃炉にする道筋を作り、現在進められている新規建設計画を止めるべきである。そうしなければ2050年80%削減の達成は極めて困難である。

エネルギー需給の目標の設定については、2030年度には原発ゼロを前提として、長期的には再生可能エネルギー100%の社会を目指し、短期的には徹底した省エネに加え、そこまでのつなぎとしてガスコンバインサイクルの火力発電所などCO2排出量の少ない電源を活用し、2030年40~50%のCO2削減と再生可能エネルギー50%以上を目指すべきである。さらに全ての部門で最終エネルギー需要を基準とした2020年、2030年、2040年、2050年のエネルギー供給(エネルギーミックス)の目標を設定し、エネルギー需給のロードマップを策定すべきである。

(3) さらに、私たちは、中長期的な観点から我が国の気候変動政策を実施するにあたり、当面の間、次の要素が不可欠であると考える。

気候変動の重大な脅威は差し迫っている。気候変動政策の検討と実施には、時間的猶予がほとんどないことを想起していただきたい。

①経済的手法として

・総量排出規制を含む排出量取引制度(キャップ&トレードC&T)の導入
※既にC&Tは世界で4兆円規模にまで拡大

・現行の地球温暖化対策税の大幅強化ないしは有効な炭素税(仮称)の新規創設  ※税収は社会的課題の解決(特に奨学金への活用など次世代の負担軽減策への活用等)や、率先して脱炭素化に取り組む企業の減税措置などに活用

・企業の環境投資を促進するグリーンファンドの創設や環境金融の支援

・再生可能エネルギーによる発電に対する固定価格買取(FIT)制度の着実な継続と適切な改善(調達価格等の価格・区分設定)

・電力システム改革における再生可能エネルギー導入重視(優先接続、優先給電などの実現)および発送電分離・電力市場の拡充

・再生可能エネルギー熱供給の支援(供給インフラ整備、環境税、固定価格買取制度など)

・電気、ガス、燃料など消費エネルギーのグリーン化(省エネ、再生可能エネルギー比率向上など)促進(100%再生可能エネルギーを目指す)

②規制的手法として

・大気汚染防止法の改正ないしは温室効果ガス排出規制法の導入により、火力発電所、製鉄所等の固定発生源のみならず、自動車、船舶、航空機等の移動発生源からのCO2の排出を規制するとともに、CO2以外の温室効果ガスの規制を導入する
※カリフォルニア州大気資源局は2018年モデルからHVをZEVから外すことを決定

・建築物に対する省エネ法(省エネ基準)、化石燃料に対する省エネ法(エネルギー効率)およびエネルギー利用高度化法等の強化と拡充(再生可能エネルギーへの転換、熱電併給システムの導入促進など)

③森林管理・都市環境緑化の促進

・環境税や森林環境税を活用した、地域の森林管理および資源活用、CO2の吸収源対策、生物多様性の確保などに活用

④自治体・都市政策

・自治体の地域政策における気候変動政策およびエネルギー政策の基本計画(マスタープラン)策定

・まちづくりにおける都市のコンパクト化と地域の資源・エネルギー循環を考慮したゾーニングの実施

・都市内交通のグリーン化するために、都市内交通をLRT、自転車、EVのバス等に転換するなど地域の状況に応じた都市内グリーン公共交通システムの構築
※高齢化、過疎化対策との連携

⑤市民社会の育成・強化

・持続可能な社会構築に向けた環境教育の充実(公平性や経済・社会的視点強化)

・次世代を担う青少年の環境問題への活動を促し支援する仕組みづくり

・市民の取組みを広げる環境NPO/NGO等の育成・支援の拡充
※①炭素税等の活用

⑥情報公開の強化

・インターネット・ソーシャルメディアやマスメディアでの情報公開の強化

・地方公共団体、NPO、業界団体等を通じて、広報、シンポジウム、ワークショップ等のあらゆる機会を活用して、気候変動やエネルギーに関する最新の情報をわかりやすく提供する

⑦国際協力の強化

・「高効率石炭火力発電」などの化石燃料依存の技術ではなく、また原発など人類に大きなツケを残す技術ではなく、脱炭素社会構築に向けた日本の有する技術や情報を、途上国を含む国際社会に提供するとともに、国際社会が有する効果的な経験等を我が国も共有しながら、国際社会全体の気候変動への対応力を向上するよう貢献する

3.長期低炭素ビジョンの実現に実質的な市民参加を 

(1) 長期低炭素ビジョンを実現する脱炭素社会に向けては、その実現のための政策形成および実施プロセスにおいて、国や地方自治体などの公共セクターや企業などの民間セクターだけではなく、様々な私たちNPO/NGOも含めた、実質的な市民の参加が不可欠である。しかし、現状では、政策形成プロセスにおいても例えば、中央環境審議会とその下にある部会、委員会等への市民参加は限定されている。そのことが、オーフス条約等の下で市民参加を進め実効性ある環境政策の形成と実施を進めている欧州などと比較して、結果的にわが国の環境政策の停滞や後退を招いているように思われる。

(2) こうした偏った政策形成プロセスでは、国民各層からの意見を広く聞くという審議会などでの政策決定の趣旨に反するとともに、本来あるべき社会や環境に対する公平・公正な判断は期待できず、効果的な脱炭素社会に向けた長期ビジョン・戦略の策定はもとより実施段階においても国民各層の協力は得にくいものと考えられる。

(3) 今後、長期低炭素ビジョンの実現に係る政策形成プロセスにおいては、公平・公正の観点、政策の実効性の観点、さらに市民社会育成の観点から、環境NPO/NGOの参加枠を定めるなど、各課題に強い関心と専門性を有する市民セクターの参加を強く要望する。また、パブリックコメントやヒアリングにとどまらない、NPO/NGOをはじめとする国民各層や自治体からの意見を聴く機会を幅広く丁寧に確保すべきである。そうすることで、真に有効な環境政策の形成と実施が図れると私たちは確信する。

(以上)