中央環境審議会が検討を開始した「長期低炭素ビジョン」に対する提案

グリーン連合は、環境省の中央環境審議会が検討を開始した「長期低炭素ビジョン」に対して以下の提案を2016年9月30日に環境省に対して提出しました。

グリーン連合「長期低炭素ビジョン」に対する提案(PDF)

中央環境審議会が検討を開始した「長期低炭素ビジョン」に対する提案

2016年9月30日
「グリーン連合」共同代表
藤村コノエ、杦本育生、中下裕子

1.私たちの基本的認識 

(1) 人類社会が気候変動問題に本格的に取り組み、国連気候変動枠組条約を締結して23年。そして昨年末に190を超す国の代表の合意で採択された「パリ協定」は、準備開始から少なくとも6年という長い時間をかけ、IPCCに集った科学者や専門家の気候変動に関する最新最良の知見を踏まえ、厳しい交渉を経て、画期的な内容で合意された。このパリ協定が発効し確実に実施されれば、悪化の一途を辿ってきた気候変動の克服に希望の兆しが見えてくると、私たちは、この歴史的合意を歓迎している。

(2) 数ある合意点のうち、「長期低炭素ビジョン」を検討するにあたって、特に重要と考える点は、①産業革命前からの世界の平均気温の上昇を、2℃を充分に下回るレベルに抑え、1.5℃未満に収めるよう努力することが合意された点、②世界全体でできるだけ早い時期に温室効果ガス排出量の増加を止め、今世紀後半には排出量と吸収量とを均衡させ「実質ゼロ」を目指すとした点、である。なぜなら、パリ協定に示されたメッセージは、産業革命以降、エネルギー源として化石燃料を大量に消費し物質的に豊かで便利な経済社会を築いてきた過去2世紀余に及ぶ都市化・工業化された文明を大転換し、低エネルギー消費社会を実現するとともに、温室効果ガスをほとんど排出しない持続可能な再生可能エネルギーへとエネルギー源をシフトすること、すなわち、「脱炭素」社会の実現に社会が大きく舵を切ることを意味するからである。

(3) 日本がパリ協定に盛り込まれた画期的な内容を確実に実施し、その実現に着実に貢献するには、過去25年に及ぶ気候変動(地球温暖化)に係る従来の体制や政策を根本から見直す必要がある。なぜなら、これまでも、企業、市民も含め政府や自治体は数々の地球温暖化対策を講じてきたが、これまでの原発への依存や再生可能エネルギー導入の遅れから、結果的に温室効果ガスの排出総量は、年により多少の増減はあるものの、日本として基準年とすべき1990年レベルから低減しておらず、むしろ増加している(2014年度は7%増だが、前年比では原発稼働ゼロでも3%減)。COP21に向けて国連に提出した約束草案では、2030年度に2013年比26%削減(1990年度比で18%削減)というとても不十分な削減目標になっている。さらにこの不十分な削減目標の達成さえ危うくする石炭火力発電所の新規導入が電力自由化の中で進められようとしている。この点で日本は他の先進国と比べて地球温暖化政策の面で恥ずべき状況にあり、気候変動の時代にあって、政治・経済・社会を含む日本社会全体としての変革への取組みの立ち遅れを露呈するものと私たちは考えている。

(4) これまでの日本政府の気候変動に対する地球温暖化政策は、国民や企業の自主的な行動を促進する「対策」や技術の革新等が中心であった。しかし、こうした政策では、パリ協定が求める社会の実現は到底不可能であり、明確な中長期的目標やロードマップを伴った産業構造の転換、グリーン経済への移行といった経済システムの見直し、脱原発を前提とした脱化石エネルギー社会の構築、都市計画を含む社会システムそのものの見直しが不可避である。また、気候変動の時代を乗り越え、希望ある人類社会を築いていく上で何が最も重要かといった価値の転換やあらゆる層での持続可能な社会像の形成、それを促す学校教育や社会教育を立て直すことも不可欠である。さらに、これまではエネルギーや環境問題に積極的に関与してこなかった層も含む社会の全てのステークホルダーの参加が必要であると私たちは考えている。

(5) さらに昨年9月の国連サミットにおいて、貧困、飢餓、健康、教育、生産・消費などの17事項を含む「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、「持続可能な開発目標(SDGs)」が決定された。この国際的な目標は日本にとっても極めて重要な方向性を包含しており、長期的な気候変動に対応する政策を策定する場合にも、これら目標の内容も十分に斟酌する必要があると私たちは考えている。

2.長期低炭素ビジョンの実現において不可欠な要素 

(1) 気候変動への対応の中で温室効果ガスの削減対策については、これまでも環境NPO/NGOを含む国内外の組織や研究者・有識者から様々な提案がなされて、それらが現実に効果を上げている国や地域も増えてきている。しかし、我が国では、主としてエネルギー多消費型の産業界の意向を強く反映したことにより、最も効果的な対策と考えられる環境税や排出量取引など炭素への価格付(カーボンプライシング)や総量排出規制が、東京都などで部分的に実施されているものの、ほとんど実施されていない。

しかし、先進国であり温室効果ガス削減の技術力に大きなポテンシャルを有する日本の責任から見ても、また、我が国の社会・経済全体の中長期的な健全な発展から考えても、カーボンプライシングや総量排出規制など着実に効果のある温室効果ガスの削減策を各部門で実施すべきである。いまこそ経済・社会の発展と温室効果ガスの排出量のデカップリングを実現する包括的な政策が求められる。

(2) 特に、長期目標及び気候変動政策と表裏一体である「エネルギー基本計画」や「2030年の電源構成」の見直しが急務である。

COP21での「パリ協定」合意前に、経産省が2030年度のエネルギー需要やエネルギーミックスを決定し、それに整合する形で、政府は温室効果ガスの削減目標(2030年13年比26%削減)を約束草案として設定したが、「パリ協定」合意後の本年5月に決定された「地球温暖化対策計画」においても、基本的に合意前と同じレベルの対策に留まっている。

気候変動に伴う世界での異常気象の激化のスピード及びその規模と、「パリ協定」に明記された「今世紀後半には実質ゼロを目指す」責務を考えると、「2050年80%削減」は最低でも達成すべき長期目標として掲げ、そこに向かう経路として中期根目標も速やかに見直し、それに沿ったエネルギーに関する中長期的な目標を設定し、実現するロードマップを策定すべきである。

具体的には、温室効果ガスの削減目標としては、2030年度に1990年度比で少なくとも40%~50%削減、2050年に1990年比80%削減とし、その後の「排出ゼロ」への道筋を描くべきである。また石炭火力は既存の発電所を廃炉にする道筋を作り、現在進められている新規建設計画を止めるべきである。そうしなければ2050年80%削減の達成は極めて困難である。

エネルギー需給の目標の設定については、2030年度には原発ゼロを前提として、長期的には再生可能エネルギー100%の社会を目指し、短期的には徹底した省エネに加え、そこまでのつなぎとしてガスコンバインサイクルの火力発電所などCO2排出量の少ない電源を活用し、2030年40~50%のCO2削減と再生可能エネルギー50%以上を目指すべきである。さらに全ての部門で最終エネルギー需要を基準とした2020年、2030年、2040年、2050年のエネルギー供給(エネルギーミックス)の目標を設定し、エネルギー需給のロードマップを策定すべきである。

(3) さらに、私たちは、中長期的な観点から我が国の気候変動政策を実施するにあたり、当面の間、次の要素が不可欠であると考える。

気候変動の重大な脅威は差し迫っている。気候変動政策の検討と実施には、時間的猶予がほとんどないことを想起していただきたい。

①経済的手法として

・総量排出規制を含む排出量取引制度(キャップ&トレードC&T)の導入
※既にC&Tは世界で4兆円規模にまで拡大

・現行の地球温暖化対策税の大幅強化ないしは有効な炭素税(仮称)の新規創設  ※税収は社会的課題の解決(特に奨学金への活用など次世代の負担軽減策への活用等)や、率先して脱炭素化に取り組む企業の減税措置などに活用

・企業の環境投資を促進するグリーンファンドの創設や環境金融の支援

・再生可能エネルギーによる発電に対する固定価格買取(FIT)制度の着実な継続と適切な改善(調達価格等の価格・区分設定)

・電力システム改革における再生可能エネルギー導入重視(優先接続、優先給電などの実現)および発送電分離・電力市場の拡充

・再生可能エネルギー熱供給の支援(供給インフラ整備、環境税、固定価格買取制度など)

・電気、ガス、燃料など消費エネルギーのグリーン化(省エネ、再生可能エネルギー比率向上など)促進(100%再生可能エネルギーを目指す)

②規制的手法として

・大気汚染防止法の改正ないしは温室効果ガス排出規制法の導入により、火力発電所、製鉄所等の固定発生源のみならず、自動車、船舶、航空機等の移動発生源からのCO2の排出を規制するとともに、CO2以外の温室効果ガスの規制を導入する
※カリフォルニア州大気資源局は2018年モデルからHVをZEVから外すことを決定

・建築物に対する省エネ法(省エネ基準)、化石燃料に対する省エネ法(エネルギー効率)およびエネルギー利用高度化法等の強化と拡充(再生可能エネルギーへの転換、熱電併給システムの導入促進など)

③森林管理・都市環境緑化の促進

・環境税や森林環境税を活用した、地域の森林管理および資源活用、CO2の吸収源対策、生物多様性の確保などに活用

④自治体・都市政策

・自治体の地域政策における気候変動政策およびエネルギー政策の基本計画(マスタープラン)策定

・まちづくりにおける都市のコンパクト化と地域の資源・エネルギー循環を考慮したゾーニングの実施

・都市内交通のグリーン化するために、都市内交通をLRT、自転車、EVのバス等に転換するなど地域の状況に応じた都市内グリーン公共交通システムの構築
※高齢化、過疎化対策との連携

⑤市民社会の育成・強化

・持続可能な社会構築に向けた環境教育の充実(公平性や経済・社会的視点強化)

・次世代を担う青少年の環境問題への活動を促し支援する仕組みづくり

・市民の取組みを広げる環境NPO/NGO等の育成・支援の拡充
※①炭素税等の活用

⑥情報公開の強化

・インターネット・ソーシャルメディアやマスメディアでの情報公開の強化

・地方公共団体、NPO、業界団体等を通じて、広報、シンポジウム、ワークショップ等のあらゆる機会を活用して、気候変動やエネルギーに関する最新の情報をわかりやすく提供する

⑦国際協力の強化

・「高効率石炭火力発電」などの化石燃料依存の技術ではなく、また原発など人類に大きなツケを残す技術ではなく、脱炭素社会構築に向けた日本の有する技術や情報を、途上国を含む国際社会に提供するとともに、国際社会が有する効果的な経験等を我が国も共有しながら、国際社会全体の気候変動への対応力を向上するよう貢献する

3.長期低炭素ビジョンの実現に実質的な市民参加を 

(1) 長期低炭素ビジョンを実現する脱炭素社会に向けては、その実現のための政策形成および実施プロセスにおいて、国や地方自治体などの公共セクターや企業などの民間セクターだけではなく、様々な私たちNPO/NGOも含めた、実質的な市民の参加が不可欠である。しかし、現状では、政策形成プロセスにおいても例えば、中央環境審議会とその下にある部会、委員会等への市民参加は限定されている。そのことが、オーフス条約等の下で市民参加を進め実効性ある環境政策の形成と実施を進めている欧州などと比較して、結果的にわが国の環境政策の停滞や後退を招いているように思われる。

(2) こうした偏った政策形成プロセスでは、国民各層からの意見を広く聞くという審議会などでの政策決定の趣旨に反するとともに、本来あるべき社会や環境に対する公平・公正な判断は期待できず、効果的な脱炭素社会に向けた長期ビジョン・戦略の策定はもとより実施段階においても国民各層の協力は得にくいものと考えられる。

(3) 今後、長期低炭素ビジョンの実現に係る政策形成プロセスにおいては、公平・公正の観点、政策の実効性の観点、さらに市民社会育成の観点から、環境NPO/NGOの参加枠を定めるなど、各課題に強い関心と専門性を有する市民セクターの参加を強く要望する。また、パブリックコメントやヒアリングにとどまらない、NPO/NGOをはじめとする国民各層や自治体からの意見を聴く機会を幅広く丁寧に確保すべきである。そうすることで、真に有効な環境政策の形成と実施が図れると私たちは確信する。

(以上)

議員懇談会(10/25)開催のお知らせ

日本の環境政策をより前進させるための議員懇談会

グリーン連合は昨年6月、日本の環境政策を後押しするために設立されました。
そして今春、市民版環境白書『グリーンウォッチ』を発刊しました。
どうすれば日本の環境政策は前進するのか『グリーンウォッチ』執筆者からの発表をもとに
環境派議員のみなさんとの懇談会を開催します。

万障繰り合 わせの上、ご参加ください。

日程:2016年10月25日(火)  12:10~15:00
会場:衆議院第一議員会館第3会議室
主催:グリーン連合
参加:無料

申込み:シンポジウム申込みページからお願いします。

(入館手続きの都合で、お願いしています)

プログラム:
1.主催者あいさつ・趣旨説明:藤村コノヱ
2.環境省あいさつ:小林正明事務次官(依頼中)
3.環境派議員からのご発言:
4.日本の環境政策の課題:
・環境と経済の両立:加藤三郎(グリーン連合顧問/環境文明21共同代表)
・決定プロセスの見える化:藤村コノヱ(グリーン連合共同代表/環境文明21共同代表)
・予防原則の確立;中下裕子(グリーン連合共同代表 /ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議事務局長)
・ビジョン:杦本育生(グリーン連合共同代表/環境市民代表)
・市民参加:調整中
5.意見交換会

 

ニュースレター(第4号)を発行しました

2016年9月25日にグリーン連合のニュースレター(第4号)を発行しました。

主な内容:
平成28年度通常総会を開催、地域交流会を開催へ
環境相&環境再生保全機構を表敬
ほか

こちらのページよりご覧下さい(PDFもダウンロードできます)。

【イベント】近畿地区交流会 開催延期のお知らせ

10月1日に開催予定の近畿地区交流会につきましては、諸般の事情により開催を延期させて頂きます。開催日時および会場については改めてお知らせをしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

なお、グリーン連合では今年度、全国5地域程度(東近江市、富山市、仙台市、岡山市、北海道など)で地域交流会の開催を予定しています。開催の日時や内容につきましては、準備が出来次第、お知らせをしたいと思います。

グリーン連合勉強会「SDGsの様々な活動との連携について」

グリーン連合勉強会「SDGsの様々な活動との連携について」

日時:9月9日(金)18:05~19:00

場所:日比谷図書文化館4Fセミナールーム

内容:
1.SDGs市民社会ネットワークとは?(資料)
星野智子さん(EPC/SDGs市民社会ネットワーク代表世話人)

2.世界を変革する~市民社会の関与はどの程度実効性をもっているのか?~(資料)
今田克二さん(動く→動かす代表/日本NPOセンター常務理事)

3.質疑・意見交換

 

山本公一環境大臣を訪問し、意見書を提出しました(2016/8/18)

2016年8月18日、今月就任したばかりの山本公一環境大臣を、グリーン連合幹事会のメンバーで表敬訪問しました。2016年5月に発行した市民版環境白書「グリーンウォッチ」を渡すとともに、環境政策の審議にあたっては、その分野で活動する環境NGOや市民団体の参加の枠 を設けて進めて欲しいとの意見書「環境政策の形成と実施には、公平・公正で実質的な市民参加を!!」も提出しました。

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環境大臣 山本公一 殿
中央環境審議会 会長 浅野直人 殿

【意見書】

環境政策の形成と実施には、公平・公正で実質的な市民参加を!!

グリーン連合は、気候変動、生物多様性、化学物質、廃棄物など様々な環境問題を克服し、全ての生命と人間活動の基盤である「環境」を基軸とした民主的で公正な持続可能な社会を構築するために、互いにつながり、強く社会に働きかけていくことを目的として、昨年6月5日環境の日に設立した環境NPO/NGOの全国的な連合組織です。

私たちは、民主的で公正な持続可能な社会を構築するには、「環境」に関わる政策の形成と実施に当たっては、私たちNPO/NGOも含めた、すべてのセクターの参加が不可欠であると考えています。

しかし、現状では、環境省が管轄する中央環境審議会とその下にある部会、委員会等の委員構成は偏っており、それが実効性ある環境政策の形成と実施を妨げ、結果的に環境政策の停滞や後退を招いているように思われます。

例えば、去る7月29日に開催された中央環境審議会地球環境部会の下に設置された長期低炭素ビジョン小委員会には、21世紀後半には人為的な温室効果ガスの排出を実質的にゼロにするという「パリ協定」を達成するために、従来の政策を抜本的に見直し、暮らしや産業構造の転換をも踏まえた大胆な戦略の検討が求められています。

しかし、その小委員会には、5名もの産業界を代表する委員が含まれ、特に日本経済団体連合会、日本鉄鋼連盟、電気事業連合会など、気候変動対策には不可欠な大型環境税や排出量取引制度の導入にこれまで強く反対し、日本の気候変動政策を後退させてきた大規模排出事業者を代表する委員が含まれています。その一方で、中長期的視点から、気候変動問題に長年かかわってきた環境NPO/NGOの委員は皆無です。

こうした偏った構成は、国民各層からの意見を広く聞くという審議会の趣旨に反するとともに、本来あるべき公平・公正な判断は期待できず、効果的な脱炭素社会に向けた長期ビジョン・戦略が策定されるとは考えにくいものになっています。

今後、中央環境審議会、各部会、専門委員会、小委員会などの委員の人選にあたっては、公平・公正の観点、政策の実効性の観点、さらに市民社会育成の観点から、環境NPO/NGO枠を定めるなど、各課題に強い関心と専門性を有する市民セクターの参加を強く要望します。そうすることで、真に有効な環境政策の形成と実施が図れると私たちは確信しています。

グリーン連合 共同代表
藤村コノヱ、杦本育生、中下裕子

市民版環境白書『グリーンウォッチ』発刊記念シンポジウムを開催しました(2016/6/2)

2016年6月2日に開催した市民版環境白書『グリーンウォッチ』発刊記念シンポジウムの動画、写真および発表資料などをこちらの活動報告に掲載しました。

市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」はこちらからダウンロードできます。

 

参議院議員選挙2016・候補予定者への環境政策アンケート「エコ議員つうしんぼ」の実施

参議院議員選挙に向けて候補(予定)者の環境政策を問う

グリーン連合では、来る7月10日の参議院議員選挙投開票にあたって、候補予定者として名前の上がっている方に、以下に示した20の環境政策について、賛否を聞くアンケートを送付しました。このアンケートの結果は、6月22日の公示日前に「エコ議員つうしんぼ」としてWEBページに掲載予定です。

<候補予定者の皆様へ>
このアンケートは郵送にて公開されている事務所等の住所にあてて送付しておりますので、ぜひご回答のほどよろしくお願いいたします。なお、送った用紙はこちらになりますので、お手元に届いていない方はぜひこちらをご活用ください。

参議院議員選挙2016 エコ議員つうしんぼ 環境政策提言20

政策提言1 <気候変動・エネルギー>
2016年にパリ協定を批准し、長期目標を国内法に掲げる

先のG7合意に準じて2016年にパリ協定を批准する。そしてパリ協定と整合的な長期目標を国内法に掲げる。

<背景>
昨年末に気候変動枠組条約締約国会合で合意された「パリ協定」は、地球平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5℃、2℃未満とする長期目標に向けて、国別の排出削減や適応の行動を 5 年ごとに評価し見直すサイクルを織り込み、各国に国内措置の実施を求めている。
G7伊勢志摩サミットの首脳宣言では、パリ協定について、可能な限り早期の締結のための措置をとることを約束し、そして、全ての国に2016年に発効するという目標に取り組むことを呼びかけた。また、2020年より十分先立って長期戦略を策定すること:パリ協定に基づき求められている温室効果ガス低排出発展長期戦略の策定について、G7諸国が先立って策定・通報することを約束している。日本にとっては、G7合意に準じて、早期にパリ協定締結のプロセスを進めるとともに、気候変動政策の長期戦略を策定する必要がある。

政策提言2 <気候変動・エネルギー>
2030年温室効果ガス削減目標を引き上げる

 日本は「2030年に2013年度26%削減」を見直し、パリ協定の合意内容に遜色ない目標も「2030年に1990年比で40%削減以上」の野心的な目標にあらためる。

<背景>
パリ協定に示された「1.5~2℃未満」の長期目標を達成するためには、現在2020年以降の目標として各国が提出したINDC(国別約束草案)の目標を足しあわせても達成できないことが明らかになっている。さらに、日本が提出した「2030年に2013年度26%削減」は、国際的な研究機関からもその目標が不十分であることが指摘され、最も低いランク「不適切」と評価されている。
パリ協定の合意内容に遜色ない中期目標としては「2030年に1990年比で少なくとも40%以上削減」などに引き上げることは不可欠である。

政策提言3 <気候変動・エネルギー>
炭素税や排出量取引制度を導入する

気候変動の主要因であるCO2の排出を経済的手法で抑制するために、CO2の排出に炭素税をかけたり、排出量取引を導入したりする。

<背景>
日本では、税率の低い地球温暖化対策税は導入されているものの、現状では価格インセンティブにはならず、特に石炭燃料価格が安価であることから、石炭火力発電所の割合は1990年以降で3倍にも増えてきた。そのため、国内のCO2排出量も増加傾向にある。「パリ協定」の合意を受けて、国内で大幅に温室効果ガスを削減するためには、「炭素に価格をつける」しくみとして、炭素税やキャップ&トレード型排出量取引制度を導入することが有効である。

 

政策提言4 <気候変動・エネルギー>
再エネ目標を2030年に40%以上とする

日本全体の2030年度の年間発電量に占める再生可能エネルギーの割合を40%以上にすることを日本政府の目標として関連法案やその政省令、エネルギー基本計画等に盛り込む。

<背景>
日本全体の2030年度の年間発電量に占める再生可能エネルギーの割合を40%以上にすることを日本政府の目標として関連法案やその政省令、エネルギー基本計画等に盛り込む。
経産省は、2015年7月に長期エネルギー需給見通しを決定したが、その中で日本の2030年度の全発電量に占める再生可能エネルギーの目標を22〜24%としているが、この目標では太陽光や風力等の発電量の目標が電力系統や賦課金等の制約で低く抑えられ、消費電力を削減する省エネルギーも不十分である。
一方で、2016年3月にはエネルギー供給構造高度化法の基本方針(告示)において2030年度の全発電事業の非化石電源の割合を44%以上に目指すことを全ての小売電気事業者にも求めており、原発ゼロを前提として再生可能エネルギーの目標は少なくとも40%以上を目指す必要がある。

政策提言5 <原発関連>
原発ゼロをめざす

10年以内に脱原発を達成するために脱原発基本法の制定をめざす

<背景>
いったん事故が起きたら国家ですら責任が取れない原子力発電所は、人類の将来世代への倫理に反する。ゼロにすることが理にかなっている。平成24年9月14日のエネルギー・環境会議で決定された「エネルギー・環境戦略」でも、圧倒的な「原発ゼロ」の国民の意向がパブリックコメントや意見聴取会に表れた。この世論の高まりはデータを見る限り、未だ冷めていない。原発ゼロをめざすためには、国会で脱原発基本法を制定する必要がある。

 

政策提言6 <原発関連>
原発事故避難者の帰還促進政策を改める

政府は「居住制限区域」、「避難指示解除準備区域」を遅くとも2017年3月までに解除、対象地区の住民への慰謝料の支払いは2018年3月で一律終了という方針を決めている。また政府と福島県は自主的避難者の住宅支援を2017年3月で終了させる方針を打ち出している。住宅支援や賠償の打ち切りにより、帰還を望まない避難者が貧困に陥ることが懸念されている。住民の意向を無視した早期の避難指示区域の解除と賠償の打ち切り方針の撤回、住宅支援の継続を実現する。

政策提言7 <原発関連>
核燃料サイクルから撤退する

目的を失った核燃料サイクルは、再処理工場建設・高速増殖炉開発、プルトニウムの保管も極めて高コストであり、国民の生活を脅かす多大な負担となっている。直ちに核燃料サイクルを廃止する。

<背景>
核燃料サイクルの柱となる青森県六ケ所村の再処理工場に必要とされる費用は、電気料金を通して5兆円以上が集められ、およそ3兆円が使われてきたが、建設が始まってから20年以上たっても稼働していない。高速増殖炉の原型炉とされる「もんじゅ」に対して1兆円を超える国費が投入されてきたが、試験運転時に事故を起こして以来20年以上にわたって停止している。再処理から撤退することで電気料金を下げ、高速増殖炉開発から撤退することで無駄な国費を削減し、福島原発事故の被災者の支援に当てるべきだ。

政策提言8 <原発関連>
原発の安全基準を厳格化する

福島原発事故を受けて規制基準が少しは厳しくはなったが、それでも耐震評価が甘い、火山評価が誤っている、意図的な攻撃への備えが不十分、原子力災害対策が規制基準から除外されている、などまだまだ緩い。これでは事故の再発は防ぐことはできない。最新の知見を反映させて、規制基準を厳格化する。

<背景>
熊本地震の知見から、原発の耐震性が現行の評価手法では過小評価になると、地震学の専門家であり元原子力規制委員の島崎邦彦氏が指摘している。火山評価は巨大噴火が予知できるとの前提に立った規制となっているが、火山学者の多くが予知不能と指摘している。また、原発を襲う火山灰に対して人間がフィルター交換などで対応するとしている点で現実性がない。原発に対する大型航空機による意図的な攻撃があっても深刻な放射能被害をもたらさないように対策をとることが規制基準で求められているが、実際には原子炉建屋への衝突は考慮されず、極めて不十分なっている。規制基準をいっそう厳しくしないと福島原発事故の再発は防げない。

政策提言9 <原発関連>
放射性物質が付着した廃棄物の再生利用を禁止する

福島原発事故で飛散した放射能で汚染された廃棄物(特定廃棄物)を公共事業に再生利用する方針が環境省から示されているが、これは放射能の全国へのいっそうの拡散であり、禁止するべきだ。

<背景>
すでに3000ベクレル/kg以下の汚染廃棄物は福島県内の公共事業で再生利用されている。直ちに止めるべきだ。環境省はさらにこのレベルを緩和して8000ベクレル/kg以下の汚染物の再生利用の方針を示し、16年度から実証試験に入ろうとしている。放射能に対しては集中管理が基本であり、拡散させてはならない。

政策提言10 <化学物質>
「化学物質政策基本法」(仮称)の制定

 日本の化学物質管理体系は用途別・毒性別の縦割り規制で、それらを統括する司令塔もない。このような問題点を克服して化学物質の総合的管理を実現するため、基本理念、関係者の責務、施策の基本事項を定めるとともに、化学物質に関する省庁横断的な行政組織の設置を定める「化学物質政策基本法(仮称)」を制定する。

政策提言11 <化学物質>
ネオニコチノイド系農薬を使用中止にする

 ネオニコチノイド系農薬は有機リン系に代わるものとして1990年代から使用されるようになった農薬だが、ミツバチ大量死の原因物質であるとともに、タバコのニコチン同様、子どもの脳の発達に悪影響を及ぼすとの懸念もある。EUでは2013年12月に暫定的使用禁止措置が講じられており、他の国々でも規制の動きが進んでいる。日本でもすみやかに使用禁止にすべきである。

政策提言12 <化学物質>
環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)に対する規制を導入する

 日本では「終わった」とされている環境ホルモン問題だが、環境ホルモンが原因と疑われる疾患が増加傾向にあることがWHO等で報告され、EUでは、一般化学品、農薬類、化粧品について使用規制を行うことが決定されている。日本でも農薬・生活用品等についての使用規制を実施すべきである。

政策提言13 <森林保全>
違法伐採木材の国内流通をゼロにし、日本の森林・林業活性化に寄与する

盗伐、密輸、各種許可証偽造、税の未払いなどなど、違法伐採により不当に安い木材の流通を撲滅し、持続可能な森林経営・生産に由来する木材・木材製品の流通を促進する制度を確立する。

<背景>
EU、米、豪が違法伐採木材の流通撲滅を目指し、民間取引をも対象とした罰則の伴う規制法を制定、施行している。日本もようやく世界に追随する形で、5/13に新たな法律「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」を制定した。しかしながら、本法は大枠を規定したのみで、詳細に関しては主務省令、ガイドラインに委ねている。本法の効力を最大限にして、実際に違法伐採木材の流通を撲滅するためには、厳格な規定を主務省令やガイドラインに盛り込まなければならない。

政策提言14 <生物多様性>
「種の保存法」の財産権尊重条項を削除し、抜本的に見直す

「種の保存法」について、財産権尊重条項を削除し、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)における愛知目標が達成できるよう抜本的に見直す。

2010年10月、COP10が名古屋市で開かれ、2011年以降の新戦略計画(愛知目標)が採択されたが、愛知目標を達成するためには現行の「種の保存法」の抜本的強化が不可欠である。

政策提言15 <公共事業>
リニア新幹線ではなく、地域の公共交通機関への公的支援を拡大する

大部分が深い地下トンネルを走行するリニア新幹線は、建設段階から環境への悪影響は深刻であり、走行には膨大な電力を消費し、車両火災事故等安全面でも大きな懸念がある。一方、高齢化が進行する地方では、公共交通の拡充が待ったなしの状況であり、温暖化防止、地方再生からも公的支援の拡充が重要である。

政策提言16 <公共事業>
河口堰を開門・ダムを撤去して河川再生を推進する

既に建設された長良川河口堰などの堰やダムの検証を、情報を公開し、広く住民の熟慮・意見表明の機会を保障して、住民投票などにより合意が形成されたものから堰を開門し、ダムを撤去して、河川の再生を推進する。

<背景>
日本では、戦後経済回復、高度経済成長時代から、ダム建設など河川工事が進められてきた。しかし、欧米など先進国では、現在、自然生態系を再生するために、建設してきたダムや河口堰を撤去する動きが進んでいる。日本でも、生物多様性第10回締約国会議で合意された愛知ターゲットの実現に鑑み、新設のダムや堰の検討だけでなく、既設のダムや堰の運用状況を検証し、撤去が適切なものは速やかに撤去して、自然再生を推進することが必要である。

政策提言17 <グリーン購入>
グリーン購入法を全面改正し、持続可能な消費推進法を制定する

グリーン購入法を改正し、地方自治体にグリーン購入を義務化するとともに、国及び自治体がグリーン購入をすすめる消費者活動を支援する責務を定める。またSDGsの具体化として持続可能な消費に転換するため、国、自治体、事業者の義務と消費者活動の支援を定めた新法を制定する。

政策提言18 <市民参加>
オーフス条約に加入し、早期に国内法を整備する

 オーフス条約は、1998年に採択された、リオ第10原則(環境分野における市民参加の原則)が定める3つの柱(①知る権利、②政策決定に参加する権利、③裁判を受ける権利)についての最低基準を定めた条約である。日本は未加入なので、すみやかに加入するとともに、同条約に適合するよう国内法を整備すべきである。

政策提言19 <市民参加>
環境政策決定段階での市民参加を促進し保障する仕組みをつくる

 環境政策は全ての国民の暮らし、社会経済活動に深く関係することから、その決定には国民各層の意見が反映される必要がある。しかし、現状では、一部利害関係者と省庁間の調整、政権の意向が強く反映され、国民の不利益につながるケースも多いことから、環境政策決定段階で、市民参加を促進し保障する仕組みを作る必要がある。

政策提言20 <環境政策全般>
全ての政策の基軸に「環境」を据える仕組みをつくる

 大気、水、大地などの環境は全ての生命、社会経済活動の基盤であり、全ての政策の基軸に据えられるべきである。しかし、現状では縦割り行政の弊害が著しく、特に短期的経済性のみが重視された政策が多く、将来世代に大きなツケを残すことは明らかである。

 

 

【イベント】市民版環境白書『グリーンウォッチ』発刊記念シンポジウム(6/2)

市民版環境白書『グリーンウォッチ』発刊記念シンポジウム

国内 76 団体の環境 NGO/NPO から構成されるグリーン連合(昨年6月5日、環境の日発足)は、今年 5 月14日、国内初となる市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」を発刊しました。
 その内容は、気候変動・エネルギー問題、化学物質問題、原発問題など主要な環境政策をレビューしたほか、東京電力福島第一原子力発電所の事故から 5 年の歳月を経た今も続く被害と政府の対応について評価分析、日本の環境政策が進まない根本的な課題などについて述べています
 グリーン連合の発足から一周年を迎えるにあたり、「グリーン・ウォッチ」の発刊を記念したシンポジウムを下記の要領で開催します。ふるってご参加ください。参加の申込みはこちら
ちらし(PDF)はこちら

            記

と き 2016年6月2日14:00~16:30(受付開始13:30)
ところ 日比谷図書文化会館コンベンションホール
主 催 グリーン連合
参加費 無料
対 象 グリーン連合の会員団体ならびに環境問題に関心のある方
参加申込:必要 参加申込フォーム

プログラム:

・報告:グリーン連合『グリーンウォッチについて』
  趣旨と概要: 藤村コノヱ(グリーン連合共同代表、環境文明21)
  主要な章のあらまし(気候変動とエネルギー、原発、化学物質、福島など)報告者予定
    松原弘直(環境エネルギー政策研究所 理事)
    伴英幸(原子力資料情報室共同代表)
    中下裕子(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議共同代表)
    満田夏花(FoE Japan 理事)
・基調講演:
  西岡秀三(IGES研究顧問、国立環境研究所特別客員研究員)
  「変革請負人グリーン連合への期待:パリ協定の意味するもの」
・意見交換:地域の取り組みとこれからのグリーン連合
  地域からの報告:
   北海道「森の生活」代表理事 麻生翼
   岡山「おかやまエネルギーの未来を考える会」会長 廣本悦子
  みんなで話そう「これからのグリーン連合について」
※本イベントは独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成により開催する予定です。
※プログラムや登壇者は、変更される場合があります。
・当日ご参加の皆様には、グリーン・ウォッチの冊子を贈呈します。
 (先着150名まで)
・「低炭素社会入門」(LCS-RNet)も配布予定です(先着100名まで)
・閉会後に懇親会を予定しています(実費)

お問い合わせ:

「グリーン連合」事務局
住所: 〒101-0041
東京都千代田区神田須田町2-2-5 CTNビル
NPO法人地球と未来の環境基金 内
FAX: 03-3255-2202

【プレスリリース】国内初、市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」発行

国内初、市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」発行
日本の環境政策を市民・環境NGOが評価分析

プレスリリース:PDF

市民版環境白書2016グリーン・ウォッチ 11.20 MB

市民版環境白書2016グリーン・ウォッチ   ...

国内75団体の環境NGO/NPOから構成されるグリーン連合は、今年5月、国内初となる市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」を発行する。グリーン連合は、昨年6月5日(環境の日)に、気候変動や化学物質汚染など様々な環境問題に取り組む国内の環境NPO/NGOの連合組織として設立された。グリーン連合では、発足以来、政府や国会議員などに積極的に働きかけ、懇談や意見共有の場を設けてきた。また、NPO/NGOが社会の持続性を支える不可欠なセクターとして、より多くの市民の支持を得られる力強い存在になることを目指して市民社会へと働きかけてきた。

今回、発行することとなった市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」は、グリーン連合が設立当初より主要活動と据え、編集委員会を組織し、会員団体メンバーを中心に執筆編集を行ってきた。その内容は、気候変動・エネルギー問題、化学物質問題、原発問題など主要な環境政策をレビューしたほか、東京電力福島第一原子力発電所の事故から5年の歳月を経た今も続く被害と政府の対応について評価分析などを行っている。また、日本の環境政策が、経済優先社会の中で歪曲されている現状を分析する章を設けて、国内環境政策に横串を刺した構造についても評価している。

なお、グリーン・ウォッチの表紙・裏表紙のイラストは、ハイ・ムーンの名で知られる京都大学名誉教授の高月紘先生にご提供いただいた。また、本ペーパーの印刷・頒布にあたっては、平成28年度地球環境基金の助成を受けて頒布する計画である。

<グリーン・ウォッチ>

発行日:2016年5月14日   ページ数:128ページ
発行:グリーン連合      編著者:グリーン連合「グリーン・ウォッチ」編集委員会
※目次、編集委員メンバー等は以下参照のこと

<グリーン・ウォッチ 目次>

はじめに

第1章 主要な環境政策のレビュー

第1節 気候変動とエネルギー
第2節 再生可能エネルギー
第3節 原発問題
第4節 化学物質

第2章 福島原発事故の被害と政府の対応

第1節 いまも続く被害
第2節 避難政策の問題点
第3節 避難指示の解除と住民の意向
第4節 骨抜きにされた「原発事故子ども・被災者支援法」
第5節 健康影響
第6節 作業員の被ばく労働
第7節 行き場のない原発事故由来の放射性廃棄物

第3章 なぜ環境政策がうまく進まないのか-日本の環境政策の問題点

第1節 「経済優先」に屈伏した環境政策
第2節 歪んだ環境政策形成のプロセス
第3節 なかなか発動されない「予防原則」
第4節 ビジョンに基づき、戦略性ある環境政策へ
第5節 実効的な政策形成参加に向けて

トピックス-国内外の注目すべき動き

グリーン連合会員団体紹介

<グリーン・ウォッチ編集委員>

委員長  藤村コノヱ(環境文明21)
委 員  中下裕子(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)、加藤三郎(環境文明21)
桃井貴子(気候ネットワーク)、松原弘直(環境エネルギー政策研究所)
伴英幸(原子力資料情報室)、篠原ゆり子(FoE Japan) 、杦本育生(環境市民)
古瀬 繫範(地球と未来の環境基金)、山田岳(ただすのもり環境学習研究所)