休眠預金に関する要望書を内閣府に提出!

 グリーン連合は、活動の目的のひとつとして「市民環境団体共通の組織基盤強化のための提言及び実現に向けての働きかけ」中でも財政的な基盤の強化をあげています。日本は、欧米諸国だけでなくアジアの中でも、環境NPO/NGOへの国からの財政的な支援は乏しいものが状況にあります。グリーン連合は、税の国民への還元の一環として、国や地方自治体では難しい、公共的利益を実現していく環境NPO/NGOの活動を財政的支援するのは、民主主義国として当然のことであり、地球環境基金以外の多岐にわたる方策が必要と考えています。

 休眠預金活用とは、金融機関で10年以上放置された預貯金を民間の公益活動に充てるもので、その法的基盤である「休眠預金活用法」が201612月に成立しています。これまで、銀行などで眠る年700億円程度のお金はこれまで金融機関の収入になっていましたが、NPO法人などの民間公益団体に助成したり融資したりして活用するものです。2019年秋には実際の助成や融資が始まる予定です

 休眠預金は、国のお金ではなく国民の預貯金で放置されたものですので、本来求めている国の財政的支援とは異なりますが、多くの環境NPO/NGOが、財政的基盤が脆弱であるがために、活動が限定されている現状を考えると、休眠預金活用に関心を持たざるを得ません。

 現在、その実施方針とスキームづくりが内閣府によって進められていますが、いくつかの問題点が現われています。①検討過程の透明性や市民参加度が低い②対象となる活動が限定的で、環境活動は直接の対象になっていない。実際的には「子ども及び若者の支援に係る活動」「地域社会における活力の低下その他の社会的困難な状況に直面している地域の支援に係る活動」に結び付けた環境活動しか対象にならない恐れが大きい③ソーシャルビジネス等の事業性のある活動が中心に考えられており、公益性が高いが事業性の低い社会・政策提案(アドボカシー)活動が対象にならない恐れが大きい④「資金分配団体」としては、地域のコミュニティ財団等が想定されているようで、環境活動に理解や実績のある団体が資金分配団体として指定されるかどうか不明。

 グリーン連合では、このような状況を変えるために、内閣府への要望書の提出、公聴会での発言、国会議員への働きかけ、環境省等との意見と情報の交換などを行っています。皆さんも、ぜひこの課題に関心を持って、今後の行動等に協力をお願いします。

グリーン連合共同代表幹事 杦本育生

市民版環境白書2017グリーン・ウォッチ発行記念シンポジウムを開催しました

市民版環境白書2017グリーン・ウォッチ発行記念シンポジウムを開催しました

発足から2周年を迎えるグリーン連合では、昨年に続き市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」を発行しました。今回も気候変動、再生可能エネルギー、廃棄物、化学物質、生物多様性、森林破壊など多岐に渡る環境問題に対して市民の視点から切り込み現状を分析しています。このグリーン・ウォッチの発行を記念して2017年6月6日(水)にシンポジウムを開催しました。詳しくはこちらをご覧ください。シンポジウムの動画や資料等を掲載しています。

市民版環境白書2017グリーンウォッチ発行記念シンポジウム市民版環境白書2017グリーン・ウォッチ発行記念シンポジウム

市民版環境白書2017グリーン・ウォッチを発行しました

市民版環境白書2017グリーン・ウォッチを発行しました

グリーン連合は、2017年5月に市民版環境白書2017グリーン・ウォッチを発行しました。市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」は、政府とは異なる視点から環境の現状や問題点を分析し多くの人に知ってもらうために、2016 年5 月に第1号を発行、この市民版環境白書2017グリーン・ウォッチは第2号となります。

  第2号は、総論として、「なぜ、地球環境を優先して保全しなければならないか」として、世界人口の増加や人間活動の拡大など地球環境悪化の背景、また優先的な取り組みの理由として、環境の危機が著しく十分な対策をとる時間的余裕が少なくなっていることや将来世代や途上国に対する責務、さらに今後は「環境概念」を拡大して取り組むことの大切さも述べています。また、昨年に引き続き、福島の人々の現状や廃炉を含む放射廃棄物問題、さらに福島の健康情報がどう伝えられているかなど、詳細な調査に基づく報告もあります。そして各論では、パリ協定後の気候変動対策、再生エネルギーの日本の現状やその進展を阻む要因、プラスチック問題や廃棄物の越境移動問題、農薬やにおいブームの落とし穴といった化学物質問題、種の保存など生物多様性に関する問題や森林破壊問題等についても触れています。トピックスでは、沖縄の基地問題と環境問題のかかわり、富山や東近江での先進的な取り組み、海外企業の動向、最後には世界各国で勃発するテロと気候変動問題との関わりや環境正義の考え方についても解説しています。政府白書にはないような、市民目線で見た内容もたくさん含まれていますので、是非、様々な場面で活用してください。

詳しくはこちらをご覧ください。全文(PDF形式)がダウンロードできます。

市民版環境白書2017グリーン・ウォッチ

ニュースレター(第4号)を発行しました

2016年9月25日にグリーン連合のニュースレター(第4号)を発行しました。

主な内容:
平成28年度通常総会を開催、地域交流会を開催へ
環境相&環境再生保全機構を表敬
ほか

こちらのページよりご覧下さい(PDFもダウンロードできます)。

山本公一環境大臣を訪問し、意見書を提出しました(2016/8/18)

2016年8月18日、今月就任したばかりの山本公一環境大臣を、グリーン連合幹事会のメンバーで表敬訪問しました。2016年5月に発行した市民版環境白書「グリーンウォッチ」を渡すとともに、環境政策の審議にあたっては、その分野で活動する環境NGOや市民団体の参加の枠 を設けて進めて欲しいとの意見書「環境政策の形成と実施には、公平・公正で実質的な市民参加を!!」も提出しました。

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環境大臣 山本公一 殿
中央環境審議会 会長 浅野直人 殿

【意見書】

環境政策の形成と実施には、公平・公正で実質的な市民参加を!!

グリーン連合は、気候変動、生物多様性、化学物質、廃棄物など様々な環境問題を克服し、全ての生命と人間活動の基盤である「環境」を基軸とした民主的で公正な持続可能な社会を構築するために、互いにつながり、強く社会に働きかけていくことを目的として、昨年6月5日環境の日に設立した環境NPO/NGOの全国的な連合組織です。

私たちは、民主的で公正な持続可能な社会を構築するには、「環境」に関わる政策の形成と実施に当たっては、私たちNPO/NGOも含めた、すべてのセクターの参加が不可欠であると考えています。

しかし、現状では、環境省が管轄する中央環境審議会とその下にある部会、委員会等の委員構成は偏っており、それが実効性ある環境政策の形成と実施を妨げ、結果的に環境政策の停滞や後退を招いているように思われます。

例えば、去る7月29日に開催された中央環境審議会地球環境部会の下に設置された長期低炭素ビジョン小委員会には、21世紀後半には人為的な温室効果ガスの排出を実質的にゼロにするという「パリ協定」を達成するために、従来の政策を抜本的に見直し、暮らしや産業構造の転換をも踏まえた大胆な戦略の検討が求められています。

しかし、その小委員会には、5名もの産業界を代表する委員が含まれ、特に日本経済団体連合会、日本鉄鋼連盟、電気事業連合会など、気候変動対策には不可欠な大型環境税や排出量取引制度の導入にこれまで強く反対し、日本の気候変動政策を後退させてきた大規模排出事業者を代表する委員が含まれています。その一方で、中長期的視点から、気候変動問題に長年かかわってきた環境NPO/NGOの委員は皆無です。

こうした偏った構成は、国民各層からの意見を広く聞くという審議会の趣旨に反するとともに、本来あるべき公平・公正な判断は期待できず、効果的な脱炭素社会に向けた長期ビジョン・戦略が策定されるとは考えにくいものになっています。

今後、中央環境審議会、各部会、専門委員会、小委員会などの委員の人選にあたっては、公平・公正の観点、政策の実効性の観点、さらに市民社会育成の観点から、環境NPO/NGO枠を定めるなど、各課題に強い関心と専門性を有する市民セクターの参加を強く要望します。そうすることで、真に有効な環境政策の形成と実施が図れると私たちは確信しています。

グリーン連合 共同代表
藤村コノヱ、杦本育生、中下裕子