お知らせ

「市民版環境白書2022グリーン・ウォッチ」を発行しました

「市民版環境白書2022グリーン・ウォッチ」を発行しました

グリーン連合では、「市民版環境白書2022グリーン・ウォッチ」を発行しました。2016 年の設立以来、毎年発行してきた市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」も今年で7冊目になります。その目的は、①政府と異なる視点から、日本の環境の現状や、環境政策の課題、問題点を分析し、多くの人に知ってもらうこと、②政府とは異なる視点からの情報を提供しNPO/NGOの考え方や活動を知ってもらうことで、環境問題への関心を高め、解決に向けた市民の参加や行動を促すことでした。

※グリーン・ウォッチ2022の詳細およびダウンロード(PDF)は、こちらから。

※冊子(有料)を希望される方は、こちらからお問合せください(希望部数、送付先をご記入ください)。

【開催案内】グリーン連合オンライン勉強会(3/24)~北海道下川町の住民参加のもとに進める持続可能な地域づくり

グリーン連合オンライン勉強会~北海道下川町の住民参加のもとに進める持続可能な地域づくり

北海道下川町では、住民参加により2030年に向けたビジョンとして下川版SDGsを策定し、主要な行政計画でも目指す姿として位置付けて、その実現に向けて必要な施策と事業を進めています。地域社会と地域l経済を守り抜くため、農業や林業といった基幹産業を守りながら、地域内外の主体と協力関係を築き、持続可能な地域づくりを行っている様々な取組について話題提供をして頂き、参加者による意見交換を行います。

日時:2022年3月24日(木)10:30~12:00
会場:オンライン(Zoomミーティング) 定員:100名
主催:グリーン連合
参加費:無料

プログラム(予定):

10:30 開会
話題提供:北海道下川町 政策推進課SDGs推進戦略室 主幹 亀田慎司氏
意見交換
12:00 閉会

【開催案内】棚田の今と未来を考える発表交流会

棚田の今と未来を考える発表交流会 ~担い手を育てるために、今私たちにできること~

日本各地には山から流れ出す水を蓄え、ダムの代わりを果たしながら稲を育て日本の国土を守り命を育んできた棚田(千枚田)があります。急峻な山脈に棚のように、また、山の斜面や丘陵地に段々と折り重なり、その曲線美を見せる四季折々の棚田の風景の美しさは、はるか太古の昔から日本農業の原点として日本人の心に潤いとやすらぎを与えてきました。
 そして、治水機能による地滑り防止作用、生態系保全、食の生産地などの多くの価値を有し、昔から農家により守られてきた環境や生態系をはぐくむ宝庫であり、二酸化炭素も固定し、カーボンニュートラルに貢献する場であることからも注目されています。
 一方で、食料自給率が40%と非常に低い中、過疎化・少子高齢化・労働力、担い手不足・赤字の経営・鳥獣被害等により棚田が放棄され、全国の棚田の40%近くが失われている現状です。今回の交流会ではその棚田の素晴らしさを感じるとともに、環境活動をより活性化するための担い手を育てるために、今私たちにできること、その根底にある政策の課題について話しあいます。

日時: 2022年2月20日(日)13:00~16:00
会場:オンライン(Zoom) 
参加費:無料
主催:グリーン連合
当日の流れ:
13:00 開会挨拶
13:10 基調講演・話題提供:
安井一臣(棚田学会理事)「リスク共生時代における棚田の社会的価値とその継承に関わる課題」
13:50 先進団体の活動・課題・政策紹介:
永菅裕一(NPO法人棚田LOVER’s理事長)
杉山 行男(NPO法人棚田ネットワーク副代表理事)
鈴木一記(久留女木竜宮小僧の会事務局)
14:50 意見交換・交流会
15:20 全体で感想共有(予定)
           終了挨拶~グリーン連合
16:00 閉会
終了後残れる方で振り返り交流会30分程度
 
【プロフィール】
安井一臣:
1942(昭17)年、長崎県大村市生まれ。子ども時代の遊び場は棚田・里山。佐賀大学農学部卒業後バイエルクロップサイエンス(株)で稲作用農薬の研究・開発に従事。専門は農薬学、作物栽培学。前棚田学会副会長兼研究委員長。各地(日本、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、ベトナムなど)の棚田巡りを楽しむ傍ら、棚田の多面的機能の重要性につき発信中。水田環境鑑定士(米・食味鑑定士協会)、「田んぼの学校」指導員(地域環境資源センター)。
 
永菅裕一:
高校時代、環境問題に関心を持ち、姫路工業大学環境人間学部、
兵庫県立大学大学院環境人間学研究科卒業。
環境と人間に関して分野の枠を越えて、総合的に学び、
そして、環境教育が環境問題に重要な役割を果たすと気付き、研究を行う
その中で棚田と出会い、環境教育と棚田のつながりを強く感じる。
そして、地域の方々から、棚田が失われていることを伺い、
2007年5月に棚田LOVER’sを仲間と結成。
生物・食・農の大切さを伝え、棚田を未来の子どもたちにつないでいくために、
そして、大学や商店街での棚田PR活動、米や自然体験系の企画を年60回程度行い、
140団体と連携し、メディアにも165回以上掲載される。
人と人やニーズとニーズ、違う分野と分野をつなぐことに喜びを感じ、
人の想いやニーズを理解し、本当に喜んでいただくことを実践し、人の幸せを広げ、繋げている。
本当に食べて涙が出るぐらいの感動できる体験・米・野菜の栽培を実践している。
そして、多くの人々においしい!また食べたい!
畑や田んぼ、棚田にいきたい!ありがとう!喜んで頂いている。
観察力を高め、一つ一つの作業を丁寧にしている。
将来的には、地域の棚田米や野菜などを使い、地域にとけこんだカフェ、民宿
棚田サミットを兵庫県で開催、世界サミット開催、1000枚の棚田を保全することを目指す。
2021年に2014年に購入した古民家を民宿としてオープンし、県外からも多数宿泊に来ていただいている。
 
杉山 行男:
略歴:1950年、青森県八戸市生まれ
元農用地整備公団職員 棚田学会会員、農業農村工学会会員
岐阜県恵那市坂折棚田のほ場整備を担当の際、中島峰広先生と出会い棚田の多様な活用について教えていただく。坂折棚田オーナーとして棚田を楽しみ、棚田ネットワークでは鴨川市川代棚田の体験プログラムを担当。趣味市民マラソン(フルマラソン91回完走、100回を目指す。)
 
鈴木一記:
1965年、浜松市生まれ。1995年、久留女木の棚田に出会い写真を撮り始める。
地元農家の勧めで2000年からお米作りを始める。2010年、写真集「井の国棚田と伝承の里」を出版。2015年「久留女木竜宮小僧の会」を発足。2016年、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」に撮影協力。同年、高齢化・過疎化の進む小さな棚田を活用し、棚田の根本的な問題解決に挑戦する意味で、「おいしいお米づくり研究会」と1年通したお米づくりを学ぶ「久留女木棚田塾」を発足。
土壌分析や食味分析を基に地元農家と外部耕作者が共においしいお米作りを目指す。
耕作会員、棚田塾生、サポーターなど関わり方によるルール作りも行う。

【開催報告(10/20)】グリーン連合オンライン勉強会~汚染水の海洋放出問題

グリーン連合オンライン勉強会~汚染水の海洋放出問題

※資料と動画を掲載しました。

日時:2021年10月20日(水)15:00-16:00
会場:Zoom
主催:グリーン連合
テーマ:汚染水(ALPS処理水)の海洋放出問題
「海洋放出方針を閣議決定決定後に理解活動強化ってあり?」
講師:伴英幸(原子力資料情報室 共同代表) [資料]
参加費:無料

グリーン連合 意見書「福島第一原発ALPS等処理水(汚染水)の海洋放出に強く反対します」(2021年7月1日)

【参考情報】原子力市民委員会「福島第一原発からの処理汚染水に関する関連情報

【意見書】第6次エネルギー基本計画(案)への意見

第6次エネルギー基本計画(案)への意見

2021年10月1日

グリーン連合 共同代表 藤村コノヱ、中下裕子、杦本育生
幹事 松原弘直、桃井貴子、坂本有希

  • 再生可能エネルギー100%を目標に2050年カーボンニュートラルを目指すこと

 2030年には原発ゼロ、石炭ゼロで再生可能エネルギー電源50%以上を目標とし、CO2(二酸化炭素)排出量も60%削減を目指す必要がある。さらに2050年には全エネルギー消費量に対して再生可能エネルギー100%社会を実現することで、カーボンニュートラルを目指す。欧州では、すでに再生可能電源の割合が平均40%に達しており、2030年には60%程度を目指している。さらに、再生可能エネルギー100%を目指す国もあり、日本でも再生可能エネルギー100%の目標を掲げ、明確なロードマップを策定する必要がある。

 火力発電を2050年までに脱炭素化しようとする水素・アンモニアあるいはCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)などの技術は現実性に乏しく、コストも非常に高く、脱炭素化のソリューションとすべきではない。

  • 全ての原子力発電所を廃止し、脱炭素電源は再生可能エネルギーだけにすること

 東京電力福島第一原子力発電所事故に踏まえれば原発のリスクは回避が困難で、損害賠償制度も現実には成立せず、社会的にも経済的にも安全性を確保することは不可能である。使用済核燃料や放射性廃棄物の処理の問題も解決は困難であり、2030年より早期の原発ゼロを前提とすべきである。

 3.11以降、原発の発電電力量は一旦ゼロ(2014年度)となり、2020年度の発電電力量は4%未満で、東日本の原発は未だに稼働ゼロの状況にある。政府および原子力事業者は、福島第一原発事故から10年が経過した現在も、いまだに「安全神話」に陥ったままであり、国民の信頼が損なわれている中で、原発の再稼働など進めるべきではない。またすでに稼働している原発についても安全を再優先するためには停止するしかない。こうしたことを踏まえて、全ての原発の廃止措置を政府と原子力事業者が責任をもって、適切に進めるべきである。

  • 2030年までに石炭火力は全廃し、LNG火力も新規建設禁止とすること

 気候危機を回避するためには、2020年以降の石炭火力の新設を禁止するとともに、既存の石炭火力を2030年までに段階的全廃(フェーズアウト)する必要がある。2030年に電源構成のうち石炭火力
を19%も残す政府案は、温室効果ガスの削減目標である2030年46~50%削減、2050年実質ゼロの実現にも水を差すものである。また、LNG(液化天然ガス)であっても新たに化石燃料の火力発電所を稼働することは気候を悪化させることにつながるため、禁止すべきである。

  • 省エネルギーを大原則とし、ライフスタイルの見直しやエネルギーシステムの根本的な改革に取り組むこと

 脱炭素社会に向けては省エネを大原則とし、当面の2030年に向けて電力需要を3割以上削減し、再生可能エネルギーによる電化を進めながらエネルギー消費量全体を4割削減することを目指す必要がある。

 そのためには、エネルギー消費の少ない健康で心豊かなライフスタイルへの転換、建築物の省エネ化、歩いて移動できる脱炭素型のまちづくりや公共交通インフラ整備など、これまでとは異なる暮らしや社会の構築が不可欠である。そしてそれらを促進するために、先端技術だけに頼るのではなく、既存の脱炭素型技術の活用と合わせて、私たちの価値観の転換を促す教育、省エネルギーを促進する研究、エネルギーシステムそのものの抜本的見直し、カーボンプライシングなど経済的政策の導入など、あらゆる手段を講じるべきである。そしてすべての暮らしと、それを支える社会経済活動の基盤である環境を主軸に置いた、持続可能なエネルギー政策とそのためのロードマップを明確に示すべきである

  • 民意を反映した市民参加の政策決定プロセスを制度として確立すること

 環境・エネルギーに係る政策は、私たち市民の暮らしに直結する政策である。そのため、地球サミットで採択された「リオ宣言」(1992年6月)の第10原則には、「環境問題は、それぞれのレベルで、関心のあるすべての市民が参加することにより最も適切に扱われる。」旨明記されている。さらにこの原則を条約にした「オーフス条約」(日本は未批准)では、環境に関する情報へのアクセス、意思決定における公衆参画、司法へのアクセスへの権利が保証されるなど、市民参加の重要性は国際的にも認識されている。

 しかし、日本では、エネルギー基本計画を審議する総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の委員の多くが産業界寄りであり、エネルギーと表裏一体である気候変動が主要課題といっても過言ではない中、環境団体を代表する委員は加わっていない。このような政策決定プロセスでは、世界的な課題である気候変動問題の根本的な解決や脱炭素社会に向けた政策が議論されないまま、従来型のエネルギーありきの議論に終始してしまい、再び国際社会から強く批判される環境・エネルギー政策になりかねない。

 気候変動やエネルギーに係る政策の影響をもろに受けるのも私たち市民だが、その政策決定過程への市民の参画やそのための情報アクセスが不十分な現況は、国際社会の一員である日本として恥ずべき実態であり、国際ルールにも反するものである。そうしたことから、早急に環境・エネルギー政策決定プロセスにおける市民参加を制度として導入すべきである。

以上

【開催報告(8/21)】グリーン連合オンライン勉強会~第6次エネルギー基本計画案の問題点

グリーン連合オンライン勉強会~第6次エネルギー基本計画案の問題点

※プレゼン資料と録画を掲載しています。

世界中で気候危機が叫ばれ、気象災害が頻発する中で、世界各国、都市や企業が脱炭素・カーボンニュートラルを目指して動き出しています。日本政府も2050年カーボンニュートラルを宣言し、2030年温室効果ガス46%削減(2013年比)を目指す中、3年に一度改正される国の第6次エネルギー基本計画の案が示されました。しかし、その内容には本質的な気候変動対策や再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、石炭火力や原発への依存など多くの問題があります。そこで、この新たなエネルギー基本計画案の内容を共有し、その問題点についてみなさんと共に議論しました。多くの方にご参加頂き、ありがとうございました。

日時:2021年8月21日(土)16:00-17:00
会場:オンライン(Zoomウェビナー)
主催:グリーン連合
参加費:無料

プログラム:
16:00 開会挨拶
情報提供:「第6次エネルギー基本計画案の問題点」 [資料]
環境エネルギー政策研究所(ISEP)理事・主席研究員 松原弘直
コメント:「気候危機とエネルギー基本計画」
気候ネットワーク東京事務所長 桃井貴子 [資料]
質疑応答&ディスカッション
17:00 閉会

【意見書】福島第一原発ALPS等処理水(汚染水)の海洋放出に強く反対します

意見書

2021年7月1日
グリーン連合
共同代表 藤村コノヱ、中下裕子、杦本育生

菅義偉政権は、4月13日、「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」「地元関係者の理解を得ながら対策を実施することとし、海洋への安易な放出は行わない」旨のこれまでの地元関係者と東京電力、経産省間の約束文書を反故にして、福島第一原発で発生しているALPS等処理水(以下、「汚染水」という)の海洋放出を閣議決定しました。これに対し、福島県漁協連をはじめ、同農協中央会、同森林組合連、同生協連、地産地消ふくしまネットの5団体は、4月30日、意思決定プロセスへの遺憾の意を表するとともに、海洋放出に反対する旨の共同声明を発表しました。また、原子力資料情報室、原子力市民委員会、FoEジャパン、グリーンピースジャパンなどの市民団体からも反対の意見が発表され、さらに韓国、中国など周辺の国々からも反対の声が上がっています。

 日本の環境団体の連合組織であるグリーン連合も、上記の非民主的な意思決定プロセスに加え、以下の理由により、汚染水の海洋放出に強く反対します。

1. 汚染水にはトリチウムの他にも有害な放射性物質が基準を超えて含まれていること

 政府は、トリチウムの安全性を強調している。しかし、汚染水には、通常の原発からの排水と異なり、トリチウムのみならず、ヨウ素129、ルテニウム106、ストロンチウム90などの放射性物質が基準を超えて残存していることが明らかになっている。タンクに貯められている水の約7割で、トリチウム以外の62の放射性核種の濃度が全体として排出基準を上回っており、最大で基準の2万倍になっている。政府は基準に適合するように2次処理をした上で希釈して放出するとしているが、処理・希釈しても62核種が排出されることは変わらず、これにより、海洋を汚染し、食物連鎖を介して人の健康や生態系に悪影響を及ぼす恐れがあることは否定できない。

 また、トリチウムについても、安全性について懸念を表する専門家もおり、決して安全性が保証されている訳ではない。しかも、希釈しても排出総量(約2000兆ベクレル)は変わらず、年間22兆ベクレルの放出量は事故前の放出量(年間1.5~2.5兆ベクレル)の約10倍である。それが数十年にわたって続けば海洋生態系に及ぼす影響は無視できる量ではない。

2. 海洋放出の前に汚染水を止水すべきであること

 汚染水が増え続けている原因は、メルトダウンした燃料が落下した原子炉建屋地下への地下水流入が続いていることにある。この点については、2013年当時、山側に遮水板を設置する案が強力に主張されたにもかかわらず、新技術なら国費345億円が使えるという理由で凍土壁案を採用、しかし結果的には完全な遮水はできず、汚染水が増え続けるという現状を招いており、明らかに政策の失敗と言わざるを得ない。

 そのことを放置したまま、他の止水策を講じることなく、海洋放出を行うことは、到底、関係者や国民、さらには国際世論を納得させることができない。速やかに、失策の経過を検証するとともに、遮水壁を設置することにより汚染水の更なる発生を防止し、海洋放出を回避すべきである。

3. 人類共有の財産である海洋の汚染を防止し、豊かな海洋と海洋資源を守ることは国際社会における日本の責任

 近年、海洋環境の保全は、国際環境問題における重要なテーマのひとつとなっており、ロンドン条約、国連海洋法、さらにはSDGsの目標14にも、そのことが明記されている。

 福島第一原発事故の責任は国・東電にあり、それによる汚染問題は汚染国の国内において処理すべきであって、海洋放出により世界中の人々の共有財産である「豊かな海」を汚すことは許されない。

 以上のとおり、国は、海洋放出の方針をすみやかに撤回し、まず汚染水を止水したうえで、国内管理策に関して、地域住民を含む様々なステークホルダー参加の下で決定すべきです。

以上

【開催報告】市民版環境白書2021グリーンウォッチ発行記念シンポジウム(6/9)

市民版環境白書2021グリーンウォッチ発行記念シンポジウム

2015年に発足したグリーン連合では、6冊目となる「市民版環境白書20201グリーン・ウォッチ」を発行しました。今回は、いつもの気候変動、再エネ、化学物質、プラスチック問題、福島などのテーマに加え、新型コロナウイルスにも着目した内容となっています。2021グリーン・ウォッチの発行を記念してオンラインでシンポジウムを開催しますので、全国から多くの方にご参加いただきました。※講演資料とオンライン動画を掲載しました。

日時:2021年6月9日(水)13:30 – 16:00
主催:グリーン連合
開催方法:オンライン(Zoomウェビナー)
参加費:無料

プログラム:

13:30 開会挨拶

講演1:「新型コロナウイルス対策の消毒剤とワクチンの現状と問題点」
環境脳神経科学情報センター副代表  木村-黒田 純子 氏 [資料]

講演2:「日本のグリーン・リカバリーの現状と課題」 [資料]
東北大学教授  明日香 壽川 氏

各章の概要説明:

  • 気候変動: 桃井貴子(気候ネットワーク)[資料]
  • 再エネ: 松原弘直(環境エネルギー政策研究所)[資料]
  • 化学物質: 中下裕子(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)[資料]
  • プラスチック: 天野路子(地球・人間環境フォーラム)[資料]
  • 福島: 伴英幸(原子力資料情報室)[資料]
  • アンケート結果: 藤村コノヱ(環境文明21)[資料]

16:00 閉会

※「市民版環境白書2021グリーン・ウォッチ」は、こちらからダウンロードできます。

【プレスリリース】「市民版環境白書2021グリーン・ウォッチ」発行

「市民版環境白書2021グリーン・ウォッチ」発行

環境問題とコロナ感染症との関わりを考える

国内81団体の環境NGO/NPOから構成されるグリーン連合は、今年6月、「市民版環境白書2021グリーン・ウォッチ」を発行しました。グリーン連合は、2015年6月5日(環境の日)に、気候変動や化学物質汚染など様々な環境問題に取り組む国内の環境NPO/NGOの連合として設立された組織です。グリーン連合では、発足以来、政府や国会議員などに積極的に働きかけ、懇談や意見共有の場を設けてきました。また、NPO/NGOが社会の持続性を支える不可欠なセクターとして、より多くの市民の支持を得られる力強い存在になることを目指して市民社会へと働きかけてきました。

グリーン連合もこの6月で7年目に入ります。活動の一環として、政府とは異なる市民の視点から環境の現状や問題点を分析し、より良い解決の方向性を示すことを目的として、設立年から毎年発行してきた市民版環境白書「グリーン・ウォッチ」も今年の 2021年版で6冊目です。

この6年の間にも、気候変動に伴う気象災害の激化、化学物質による人の健康や生態系への影響、プラスチックごみによる海洋汚染など私たちを取り巻く環境の悪化は進行しています。加えて、昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大は日本のみならず世界中で猛威を振っており、私たちは様々なリスクを抱えながら、生きていかなければならない厳しい時代に直面しています。

昨年の白書では、環境問題とコロナ感染症の問題はともに、利便性・快適性を過度に追い求めてきた私たちの暮らし方やグローバル化した社会経済の仕組みが深く関わっていること、そのため解決に向けては、私たち一人ひとりの行動変容と併せて、科学的根拠に基づく倫理的で政治的な判断と人類の叡智に基づく大きな社会変革が必要なことを記しました。

そこで今回の白書では、これまで同様に、主要な環境問題の現状と課題、解決の方向性を示すとともに、環境問題とコロナ感染症との関わりにも配慮した編集を行いました。

※グリーン・ウォッチのダウンロード(PDF)は、こちらのページから。

※冊子(有料:500円/部)を希望される方は、こちらからお問合せください(希望部数、送付先をご記入ください)。

【意見書】「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」に対する意見書の提出について

「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」に対する意見書の提出について

意見書(PDF)

グリーン連合
共同代表 杦 本 育 生
同    藤 村 コノヱ
同    中 下 裕 子

2021(令和3)年3月、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」(以下「本法案」という)が内閣から提出され、今国会での成立が目指されている。

プラスチック廃棄物問題については、海洋プラスチック汚染の深刻化により国際的課題として取組みがなされ、2019年6月のG20大阪ブルー・オーシャン・ビジョンでは「2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的汚染をゼロにまで削減する」との目標が明記された。

一方、2020年10月には日本でも「2050年カーボンニュートラル(脱炭素)宣言」がなされたことから、石油由来のプラスチックについても、脱炭素の観点からの取組みが求められる。

このような状況において、プラスチック問題の解決については、単に廃棄物管理の強化にとどまらず、「2050年カーボンニュートラル」への貢献も含め、プラスチックの大幅な総量削減と3Rの優先順位に従った循環利用の徹底を通じて、サーキュラー・エコノミー社会を早期に構築していくことが求められており、そのためには、大胆な施策を段階的・計画的、かつ着実に実施していく必要がある。

しかしながら、本法案では、2050年までの中間の年次における削減の数値目標が明記されておらず、規制的措置やカーボンプライシング等の経済的手法も含まれていない単なる促進法にとどまっており、極めて不十分である。

「グリーン連合」は、日本が2019年G20議長国として率先してサーキュラー・エコノミー社会を実現するために、本法案に下記内容を盛り込むことを提言する。

① 2050年石油由来のバージンプラスチックの製造ゼロを目指して、市民参加の下に、バックキャスティング手法により目標年次を定めてプラスチックの総量削減に取り組むこと。

② 事業者の自主的取組みだけでなく、生産者よる回収義務をはじめとする生産者の責任の強化、有害化学物質管理などの規制的手法や、カーボンプライシングの導入などの効果的な措置を講じること。

③ リデュース・リユース・リサイクル・熱回収の比率についての年次目標を、3Rの優先順位に従った形で明確化すること。

④ 2030年使い捨てプラスチックゼロを目標として掲げ、その実現のために、拡大生産者責任を徹底し、製造や提供を禁止するなどして計画的に削減を進めること。

⑤ マイクロカプセルを含めてマイクロプラスチックの意図的製造を禁止するとともに、漁具の回収を義務化するなど効果的な流出防止策を講じること。

以上